東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は大幅反発となりました。日経平均は106円高の19,150円と上昇して寄り付くとさらに上げ幅を広げ11時過ぎに446円高の19,490円まで買われました。しかし、節目の19,500円を前に上値が押さえられるとやや上げ幅を縮め前場は358円高の19,402円で取引を終えました。後場は中国の貿易統計を受けて一段高となりました。428円高で後場の取引をスタートした日経平均は13時ごろに19,500円を上回るとさらに上げ幅を広げ14時50分には662円高の19,705円まで買われました。結局、日経平均は595円高の19,638円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が続伸となったほか、日経ジャスダック平均も7日続伸となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が悪材料出尽くしとなり5.2%高となりました。ソフトバンク・ビジョン・ファンドで約1兆8000億円の投資損失を計上する見込みとなり2020年3月期の営業損益が1兆3500憶円の赤字になる見込みだと発表したことから売り気配でスタートし4%余りまで下げる場面もありましたが、朝方の売りが一巡すると切り返しプラスに転じ上げ幅を広げました。

また、昨日の取引終了後に決算を発表したファミリーマート(8028)が9.3%高となりました。新型コロナウイルスの感染拡大について4月末までの影響を織り込んだうえで2021年2月期の本業のもうけを示す事業利益が32%近い大幅な増益となる見通しを出してきたことが好感されました。一方で同じく昨日の引け後に決算を発表した高島屋(8233)が新型コロナの影響が読み切れないため2021年2月期の業績予想を未定としたことが嫌気され2.7%安となりました。

さらにゼネコン大手が軟調でした。清水建設(1803)が新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出た7都府県の全ての工事を対象に一時中断を発注者と協議すると発表したことで売られ2.8%安となりました。他のゼネコン大手にも売りが波及し大成建設(1801)が2.6%安、大林組(1802)が2.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は昨日に大きく下げた反動に加えて、3月の中国の貿易統計で米ドル建ての輸出の減少率が市場予想よりも小幅にとどまったことで中国経済に対する警戒感が後退し米株価指数先物が大きく上昇したことなどから大幅高となりました。節目の19,500円をしっかりと上回ったうえ、3月下旬に付けた戻り高値(19,564円)も超えてきたことで上値余地が広がる格好となっています。20,000円の大台回復への期待も徐々に高まりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)