下がり過ぎ修正は、今後は限られる?!

豪ドル/米ドルは、3月に0.55ドルまで急落したが、最近にかけて0.63ドル以上に反発してきた。これは、基本的には下がり過ぎの反動だろう。

豪ドル/米ドルが急落した主因は、3月以降の原油相場急落などによるCRB(コモディティ総合指数)急落でおおむね説明できる(図表1参照)。ただこの結果、CRB指数もそうだが、豪ドル/米ドルも記録的な下がり過ぎとなったようだ。

【図表1】豪ドル/米ドルとCRB指数(2019年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

豪ドル/米ドルの90日MA(移動平均線)からのかい離率は、一時マイナス20%近くまで急拡大した(図表2参照)。これは、2000年以降では2008年のリーマン・ショック以来の下がり過ぎだった。なお不安定ながら、原油急落が少し落ち着く中で、記録的な下がり過ぎの修正が入ったことが、この間の豪ドル/米ドル反発の主因ではないか。

【図表2】豪ドル/米ドルの90日MAからのかい離率(2000年~)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券作成

ただしこのように短期的な下がり過ぎが拡大するのは、中長期トレンドが下落方向にある場合が基本。そして、経験的に下落トレンドでの一時的な反発は、52週MA(移動平均線)前後までがせいぜい

足元の豪ドル/米ドルの52週MAは0.676ドル程度(図表3参照)。以上からすると、「下がり過ぎ」修正を中心とした豪ドル/米ドルの反発は、この先は限られてくる可能性があるのではないか。

【図表3】豪ドル/米ドルと52週MA(2010年~)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券作成