【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 21,636.78 ▼915.39 (3/27)
NASDAQ: 7,502.38 ▼295.16 (3/27)
1.概況
先週末の米国市場は米国の新型コロナウイルスの感染者数が世界最多となるなど感染拡大に歯止めがかからないことが嫌気され大幅反落となりました。653ドル安と大きく下落してスタートしたダウ平均ですが徐々に下げ幅を縮めると取引終盤には224ドル安まで持ち直しました。しかし、引けにかけて急速に下げ幅を広げると引け間際には1,082ドル安まで下落しました。結局ダウ平均は915ドル安の21,636ドルと4日ぶりに反落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も295ポイント安の7,502ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
2月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増となり市場予想と一致しました。また、米個人所得は前月比0.6%増となり市場予想を上回りました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたPCEコア指数は前年同月比で1.8%上昇しています。さらに3月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は89.1と速報値から下方修正され市場予想も下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げました。そのなかでもエネルギーが7%近く下落したほか、情報技術と資本財・サービス、コミュニケーション・サービスが4%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が下げました。そのなかでもムニューシン米財務長官が大型経済対策法案は航空業界の救済ではないと強調したことでボーイング(BA)が10%余り下げ下落率トップとなりました。ボーイングは1銘柄でダウ平均を120ドル余り押し下げています。また、原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)も10%近く下げたほか、ウォルト・ディズニー(DIS)も8%を超える下落となりました。ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)とJPモルガン・チェース(JPM)も7%を上回る下げとなっています。一方でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)とトラベラーズ(TRV)が上げ、プロクター・アンド・ギャンブルは2%以上上昇しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、決算で新型コロナウイルスの感染拡大が収益に与える影響が不透明なため2021年1月期の見通しの発表を見送ったスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ(LULU)が6%近く下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.17%低い0.68%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末に米国市場が大幅安となったことに加えて、日経平均で180円程度とみられる配当落ちの影響もあり大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の18,500円を試すような動きとなるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)