チャイナ・ショック、Brexitショック、アップル・ショック以来

3月18日はNYダウが1,000ドル以上の暴落となったが、米ドル/円は108円を回復するなど反発した。これは、米長期金利、10年債利回りが1%を大きく上回るなど上昇したことに連れた面が大きかっただろう。

ところで、先週の米ドル/円は、週初に一気に101円割れ近くまで暴落したものの、週末には108円まで急反発となった。この結果、週足チャートの下ヒゲ(実体部の安値とザラ場安値の差)は3円以上の長大となった(図表1参照)。

【図表1】米ドル/円の週足チャート(2018年12月~)
出所:マネックストレーダーFX

このように、週足の下ヒゲが3円以上の長大になったのは、2015年以降では3回しかなかった。2015年8月24日の「チャイナ・ショック」があった週、2016年6月24日、Brexit(英国のEU離脱)ショックのあった週、そして、2019年1月3日、アップル・ショックがあった週だ(図表2参照)。

ところで、今回のような長大な週足下ヒゲがあった上述の3つのケースは当面の底打ちであり、底値更新は半年以上も先となった。これを参考にすると、先週の101円で米ドル/円は当面の底打った可能性があり、底値更新、つまり101円割れは早くても7月以降といった見通しになる。

異常に高いボラティリティー(変動率)が続き、方向性も見極めが難しい状況となっているため、経験則も参考にしにくくなっているが、記録的に「長い下ヒゲ」を参考にすると、以上述べてきたような見通しになりそうだ。

【図表2】米ドル/円の週足チャート(2015年8月~2016年11月)
出所:マネックストレーダーFX