急に変わりだした「米ドル/円は小動き」

株式市場では、連日暴落、暴騰といった具合に記録的な大荒れ相場となっているが、為替市場も基本的には同じであり、米ドル/円のボラティリティー(変動率)なども急上昇している。

たとえば、米ドル/円の1日値幅が1円以上となったのは、過去3ヶ月では、昨年12月0回、今年1月1回、2月5回だったが、3月は先週までの10営業日ですでに9回。しかもそのうちの半分近い4回は、1日で3円以上の大幅な値幅となっていた

こういったことを受けて、今年の米ドル/円最大値幅は、まだ3月の段階でありながらすでに11円以上に拡大した。ちなみに、米ドル/円の年間最大値幅は、2019年まで3年連続で10円前後にとどまり、「米ドル/円は小動き」が当たり前のようになっていたが、それが急に変わり始めた可能性がある。

年間値幅が10円前後の小動きとなる前、2016年の値幅は20円以上だった。今年も値幅が一気に20円程度に拡大するとして、それがこの先目一杯円高方向なら90円割れを目指す計算になり、逆に目一杯円安方向なら120円を目指す計算になる。

長く小動きが続く中で、相場の活発化は投資家からも待望されていたことだろう。それにしても、米ドル/円は小動き、「低ボラ」が長く続いてきただけに、それが急に変わり始めていることへ対応するのは重要だろう。これまで以上にポジションの管理、維持率などへの意識が必要になりそうだ。