【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 23,851.02  ▼2,013.76 (3/9)
NASDAQ: 7,950.68  ▼624.94 (3/9)

1.概況

米国市場は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や原油価格の暴落を受けて急落となりました。872ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくして1,900ドル安程度まで下げ幅を広げるとS&P500株価指数の下落率が7%に達したことでサーキットブレーカー(取引停止措置)が発動され取引が一時中断されました。取引再開直後に下げ幅が2,000ドルを超えたあと一旦持ち直し昼前に1,200ドル安程度まで下げ幅を縮めたダウ平均ですが午後に入って再び売られると取引終盤には2,158ドル安まで下落しました。結局ダウ平均は2,013ドル安の23,851ドルで取引を終え、下げ幅は先月27日の1,190ドルを大きく上回って過去最大となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も624ポイント安の7,950ポイントとなり節目の8,000ポイントを割り込んでいます。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが20%安となったほか、金融も11%近く下落しています。さらに素材と資本財・サービスも9%を超える下げとなっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもダウ(DOW)が21%以上下げ下落率トップとなりました。また、原油価格の暴落を受けてシェブロン(CVX)が15%を超える下落となったほか、エクソンモービル(XOM)も12%以上下げています。さらにキャタピラー(CAT)が14%を上回る下げとなり、JPモルガン・チェース(JPM)とボーイング(BA)も13%以上下落しています。ボーイングは米当局が2度の墜落事故を起こした737MAXの電気配線の変更を要請する見通しと伝わったことで運航再開が一段と遅れるとの見方から売られました。

ダウ平均構成銘柄以外では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて米政府がクルーズ船に乗らないようにと勧告したことでクルーズ船株が大きく売られました。最大手のカーニバル(CCL)が20%近く、ロイヤル・カリビアン・クルージズ(RCL)が26%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.22%低い0.54%となりました。一時0.31%を付け過去最低を大幅に更新する場面もありました。ドル円は102円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場の急落を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の19,000円を割り込みそうで、本日も下値模索の展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)