長く続いた小動き終了後は大相場が続きやすい

NYダウが連日1,000ドル前後もの大幅な値幅となるなど、株式相場のボラティリティー(変動率)が急騰しているが、為替相場もやはりボラティリティーの急騰となっている。

たとえば、米ドル/円の値幅が1円以上となったのは、1月(21営業日)には1回しかなかったが、2月(20営業日)は5回、そして3月はまだ4営業日の段階ですでに3回となっている。一日平均値幅も、1月は0.48円にとどまったが、2月は0.73円、そして3月は5日までの段階で1.35円と、ほとんど2月から倍近くになっている。

米ドル/円は、1月まで小動きが長く続いていた。経験的には、長く続いた小動きが終わった後は、一転して大相場がしばらく続きやすかった。これは、長く続いた小動きで蓄積されたエネルギーが発散すると考えれば納得できるが、今回の場合もまさにそんな感じとなっているのではないか。

為替相場のボラティリティーが急騰する中で、注目されるのはその方向性だ。米ドル/円は2週間前には長期保ち合いを一旦上放れる展開となったが、「コロナ・ショック」で世界的な株大暴落が続く中、一転して保ち合い下放れ攻防となってきた(図表参照)。

このまま保ち合い下放れで、米ドル/円は下落方向への大相場となるのか。それは、米ドル/円と相関性の高い株価の行方などを目安に見極めることになりそうだ。

【図表】米ドル/円の月足チャートの推移(2015年~)
出所:マネックストレーダーFX