米ドル/円 日足

週間予想レンジ:107.00~109.00

メインストラテジー:レンジ取引

・米株を始め世界株式急落でコロナショックを形成、一旦円高に振れる
・防疫体制の不備は日本のみならず、「悪い円安」の傾向が消された
・1月安値の割り込みがあっても「ダマシ」なら拮抗の局面が続く

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は大幅反落、年初来の上昇幅が消され、円安傾向から中立な局面へ逆戻りした。米株を始め、世界同時株安でコロナショックの様相を呈している。ここから一段進行してもおかしくないから、目先円高の余地を警戒せざるを得ない。

テクニカル上のポイントは1月8日安値の割り込みが大きいだろう。同日の陽線、「強気リバーサル」のサインを点灯してから2月20日高値112.22円をトライしたため、逆戻りをもって円安傾向が消された。週足で見ても同様な結論が見られ、昨年8月104.45円を起点として上昇波の一旦挫折を示唆している。

もっとも、先週の急落でドルの上放れを中断させたのみではなく、2015年高値から引かれた抵抗ラインのブレイク自体が「ダマシ」の可能性を暗示した。同可能性が強まっていくなら、長期スパンではこれから昨年8月安値を割り込み、大きな円高余地をもたらすだろう。

一方、危機的な状況においても、先々週の112円関門打診があって、急速な円高傾向に振れたものの、昨年8月安値を起点とした上昇波を否定したとは目先では言い難い。1月安値に対する再更新自体も「ダマシ」になる可能性もあり、昨年10月3日安値106.48円を継続的に下回らなければ、上昇波途中における大きな調整と見なせる。

さらに、市場センチメントがリーマンショック以来の暗さに陥り、悲観の極みとも言える目下の上昇において、107円大台前後を維持できれば、前記1月8日安値の割り込み自体が「ダマシ」となる可能性が逆に浮上する。この場合、早期ブル基調への回復を望めないが、一旦109円関門のトライをもって下落一服の可能性を示唆しよう。106円半ば~107円関門前後のサポートゾーン、機能するかどうかは今週の焦点。

コロナショックの行方を油断できないものの、米ダウ指数の史上最大下落幅を記録するなど相場の行き過ぎの感じも強く、テクニカル上の自律反発やファンダメンタルズ上の利下げや財政出動(FRBや米国をはじめ、主要各国)の蓋然性に鑑み、相場はそろそろ落ち着き、また反発してこよう。

新型肺炎発生源の中国の株式パフォーマンスをみれば分かるように、政策期待の効用が大きく、今週市場関係者らは冷静に状況を受け止め、売られすぎの株の買い戻しを図るだろう。米ドル/円は米株次第だが、まず中段保ち合いを形成へ。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:69.00~71.00

メインストラテジー:レンジ取引

・コロナショックで大きく売られ、豪ドルの軟調は目立つ
・豪ドル/米ドル、米ドル/円の両方から作用、陰の極みにいる
・昨年8月安値の割り込みは行き過ぎ、自律反発は近い

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

コロナショックで大幅下落、昨年8月安値69.95円を割り込み、2013年高値105.52円を起点とした大型下落波をさらに延長させた。豪ドルは中国要素に強く影響され、今回中国発危機に一番弱いが、安値更新自体が豪ドル安の最終局面を暗示する可能性を無視できない。

豪ドル/米ドルや米ドル/円の両方から作用した結果、豪ドル/円の安値更新をもたらしたが、豪ドル/米ドルの下落も2011年高値から継続され、コロナショックをもって最終局面に迎える可能性が大きい。従って、安値更新自体を行き過ぎたサインと見なし、ここから継続的に安値トライできるかどうかは今週の焦点とみる。

もっとも、継続的な安値更新さえ回避できれば、自律反発のニーズの高まりが予想され、目先リバウンドしやすい環境に。この場合、先週の大陰線に対するスピード調整の範ちゅうに留まるとも予想されるが、昨年8月安値に対する更新も一時に留まる。

また安値更新があっても下落モメンタムの加速を回避できるなら、大きな意味合いを持つ。結果的に、安値更新自体が「ダマシ」となる可能性を無視できない。

テクニカル的にも市場センチメントから見ても今は「陰の極み」の状況におり、米株の歴史的な急落とともに、何らかのきかっけでまずリバウンドを果たす可能性が大きい。相場は最悪の状況や思惑を想定した上、一気に織り込む習性があるから、先週の大陰線は大分マイナスな材料を反映したとみる。

とはいえ、目先であらゆる反発があってもスピード調整に留まり、先週大陰線の否定に程遠いだろう。71円前半~72円半ばまで抵抗が密集し、一旦切り返しがあっても再度頭打ちされやすく、強くても安値圏での保ち合いに留まる公算。

しかし、保ち合いの先行があれば、今後大きなサインの1つと見なされ、底打ちの形成に時間がかかるほうが、今度本格的なリバウンドの土台に化しやすいとみる。一旦様子見を。