東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は483円安の2万3343円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて下落しました。先週末の米国市場が下落したことや円高進行によりドル円が108円台を付けたことなどを受けて、日経平均は399円安の2万3427円と反落して寄り付きました。まもなく509円安まで下げ幅を広げた日経平均は10時過ぎに363円安まで持ち直す場面もありましたが、前引けにかけて再び下げ幅を広げると455円安の2万3372円で前場を終えました。その後、後場に入り膠着感を強めた日経平均は結局483円安と本日の安値圏で取引を終えています。東証1部の売買代金は2兆1772億円と6営業日ぶりに活況の目安となる2兆円を上回りました。

東証33業種は不動産業を除く32業種が下落しました。中でも空運業が3%以上下落したほか、金属製品や非鉄金属、機械なども3%近く下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はいずれも下落しました。売買代金トップのファーストリテイリング(9983)が5.7%下落したほか、中国政府が国内の旅行会社に対して海外団体旅行の中止を命じたことを受けて売買代金6位の資生堂(4911)も5.5%安となりました。そのほかのインバウンド関連銘柄では総合免税店のラオックス(8202)が17%安、コーセー(4922)も7.1%下落しています。また、売買代金8位のネットワンシステムズ(7518)が東芝(6502)の子会社で発覚した架空取引について主導的な役割を担っていたと伝わったことから23%下落しています。

一方で新型肺炎について国内で複数の感染者が確認されていることや指定感染症に指定する方針が示されたことを受けて防疫関連銘柄に買いが入り、クリーンルームの設計販売を行うエアーテック(6291)が17.1%高、ウイルス対策マスクを手掛けるシキボウ(3109)が13.5%高、除菌消臭剤「クレベリン」を製造する大幸薬品(4574)が10.2%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は新型肺炎の感染拡大への警戒感からリスクオフムードが強まり大幅安となり、日経平均は一時500円以上下落しました。今週はファナック(6954)やアドバンテスト(6857)、任天堂(7974)、キーエンス(6861)などの決算発表が予定されているほか、日本時間30日未明には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えており、マーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部)