【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29160.09  ▼26.18 (1/23)
NASDAQ: 9402.48  △18.71 (1/23)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなり、ナスダック総合株価指数は史上最高値を更新しました。新型肺炎の感染拡大への懸念から取引開始直後に219ドル安まで売られ節目の29,000ドルを割り込む場面もあったダウ平均ですが、午後に入って世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言は時期尚早と発表すると大きく下げ幅を縮める展開となりました。取引終盤に4ドル高とわずかにプラスになる場面もあったダウ平均ですが前日終値近辺では上値が重く結局26ドル安の29,160ドルで取引を終え3日続落となっています。

一方でS&P500株価指数が3ポイント高の3,325ポイントと続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も18ポイント高の9,402ポイントと続伸となり17日に付けた史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比6000件増の21万1000件となりましたが市場予想ほどは悪化しませんでした。また、12月の米景気先行指標総合指数は前月比0.3%低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアやエネルギー、コミュニケーション・サービスなどの6業種が下げました。一方で5業種が上げ、資本財・サービスが1%を超える上昇となったほか、不動産と公益事業も1%近く上げています。

4.個別銘柄動向

決算で保険料収入が市場予想を下回ったトラベラーズ(TRV)が5%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も決算で売上高が市場予想を下回ったことから1%余り下げています。さらにCATV大手のコムキャスト(CMCSA)が決算説明会で有料テレビの契約者が今年は一段と減るとの見方を示したことで4%近く下げました。

一方でCATVからインターネットの動画配信への流れが加速するとの見方から動画配信大手のネットフリックス(NFLX)が7%を超える上昇となっています。半導体のウエスタンデジタル(WDC)やゼネラル・エレクトリック(GE)も投資判断の引き上げを受けて3%以上上げています。なお、取引終了後に決算を発表したインテル(INTC)は売上高と1株利益が市場予想を上回ったことなどから時間外で大幅高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い1.73%となりました。ドル円は109円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場でダウ平均が小幅な下げに止まったうえ、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから本日の日本市場はやや買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日割り込んだ25日移動平均線(昨日時点で23,831円)を上回ってさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)