25日移動平均線を上下に挟む2つの窓

さて、早いもので前回のコラムからもう1週間が過ぎてしまいました。前回発生した2つの窓はどのようになったのでしょうか?

それでは早速、日足チャートで確認したいと思います。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

チャートを見ますと、2つ発生した窓のうち、25日移動平均線の上にあった窓を埋めているのが分かります。また、1月16日と17日のあいだにももう1つ窓が発生したのですが、この窓も21日の大幅下落で埋める結果となりました。

これまでの動きは、コモンギャップ(=普通の窓)を埋めただけと捉えられ、重要な意味を持つとは思えません。その一方で、今後のトレンドの判断にとても重要な役割を果たすと考えられるのが、1月8日と9日のあいだに発生し、25日移動平均線の下にある窓を埋めるかどうかなのです。

1月8日と9日のあいだにあけた窓はどうなるのか

前回も解説しましたが、仮にこの窓を埋めた場合、上向きの25日移動平均線を下回ることになってしまうと同時に、25日移動平均線上を回復できなかった時のトレンド転換が警戒されることになります。つまり今年前半の株価の行方を左右する重要な分岐点と言うことができるのです。

そのため、上昇トレンドが継続するためには、日経平均が下げた場合であっても25日移動平均線で下げ止まって、1月8日と9日のあいだにあけた窓を埋めることなく反発する必要があると思われます。

仮に25日移動平均線を下回ってこの窓を埋めてしまった場合、前述のように25日移動平均線上を回復できなくなることが考えられます。

再度25日移動平均線を割り込めば、ダブルトップ出現の可能性

なぜなら、25日移動平均線を割り込むことが今月に入って2回目になることと、昨年12月から1月21日までのあいだに、ほぼ同じ水準の高値を2回つけて下落して25日移動平均線を割り込んだ場合、ダブルトップという株価の天井を表す形になってしまうことが考えられるからです。

ただ一方で、25日移動平均線を割り込んでも直ぐに値を戻して反発すれば、1月の第1週と同様に、トレンド転換を回避することにつながり、もち合いやレンジ内での値動きに留まることができるのではないかと思われます。

こうした状況を踏まえ、25日移動平均線を割り込んで窓を埋めるのか、それとも窓を埋めることなく反発するのかなどに注意し、今後の動向を探るヒントにしたいところです。