大発会に発生した窓を埋めることはできたが

前回は、「大発会に発生した窓について考えてみましょう」としました。

また、「この窓は、過去の値幅の範囲内で発生していることからコモンギャップではないかと思われますが、仮にこのまま窓を埋めることができなかったり、25日移動平均線や5日移動平均線上を回復できなかったりするようですと、下降トレンドが発生することが考えられるほか、たくさんあいたままになっている窓を埋めることも視野に入ってくるのではないかと考えられるのです」と指摘しました。

波乱の幕開けから1週間が経過し、どのような形になったのか確認していきたいと思います。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

上記のチャートを見ると、前回指摘した大発会にあけた窓を埋めているのが分かります。また、その前の12月27日と30日のあいだにあけた窓も埋める結果となりました。

このような結果になった理由として挙げられるのが、上向きの75日移動平均線上で下げ止まったことではないかと考えられます。仮にこの75日移動平均線上を維持できずに下落が続いていた場合、5日移動平均線はもちろん、25日移動平均線を下回ったまま今週の取引を迎えることになったことでしょう。

仮にそうなっていたとすると、指摘した下降トレンド発生の可能性が高まると同時に、まだ埋まっていない窓をも埋めることが視野に入ることになったのではないでしょうか。

ただ実際は、75日移動平均線で下げ止まった翌営業日には一気に5日移動平均線と25日移動平均線上を回復したことに加え、その後、今年初の3日続伸となり、株価の回復が見て取れる結果となっているのです。

25日移動平均線や5日移動平均線上を維持できるかがカギ

でも、株価の回復を喜んでばかりはいられません。なぜなら、25日移動平均線の上と下にそれぞれ新たな窓が発生しているからです。

この2つの窓も過去の値幅の範囲内であることからコモンギャップと考えられます。1月8日と9日にあけた窓は25日移動平均線の下にありますので、仮にこの窓を埋めた場合、5日や25日移動平均線を割り込んで戻せなくなる場合が懸念されます。

また、昨年12月17日の高値を終値で上回ることができないまま、2つの窓を埋めると同時に25日移動平均線上を回復できない場合はどうなるでしょうか?その場合は、上値の重たさが嫌気され、今度は75日移動平均線を下回る可能性が出てくるため、押し目買いは控える必要が出てきそうです。

それに対し、1月10日と14日のあいだにあけた窓を埋めたあとも25日移動平均線や5日移動平均線上を維持するようですと、昨年来高値を更新することが視野に入ってくるのではないでしょうか。

このように、コモンギャップとは言え、埋めたあとの値動きに影響を与える場合と、そうでない場合とがありますので、トレンドと合わせて判断するようにし、株価動向の判断に役立てるようにしたいところです。