トルコが16日に利下げ

トルコは1月16日、政策金利をそれまでの12%から11.25%に引き下げた。ただそのような金利引き下げにもかかわらず、トルコリラ/円はこの間の高値圏での推移が続いた。

利下げは、基本的には通貨安要因と考えられる。ただここ数年のトルコの場合、金利と通貨の関係は、それと逆になってきた。トルコリラ/円は2018年8月に15円台へ大暴落となったが、それは政策金利を8%から24%へ3倍に引き上げる中で起こったものだった。そして、2019年は政策金利が24%から12%へ半分に引き下げられたものの、トルコリラ/円はおおむね底固い展開に終始した。

こういった中で、上述のように2020年早々トルコは金利を引き下げものの、トルコリラ/円はそれを尻目に反発傾向が続く結果となった。

トルコリラと金利の関係は、金利低下→トルコリラ下落といった「金利→通貨」ではなく、2018年まではトルコリラ下落が止まらなかったため「防衛利上げ」を続けたが、トルコリラ下落が止まると、高くなり過ぎた金利を引き下げていくといった具合に「通貨→金利」といった関係になっていると頭を切り替える必要があるだろう。

それにしても、通貨と金利の関係は、金利が高くなれば買いが増える、金利が下がると売りが増えるといった具合に、「金利→通貨」の方向性が基本だ。その意味では、トルコリラについて考える上では、「なぜ下がらなくなったのか」というテーマが重要だろう。

トルコリラ/円が90日MA(移動平均線)に対し10%を大きく超えるほど下回らない状況が約10年も続いたことがあった。2008年10月に90日MAを30%以上も下回る大暴落が起こった後のことだった。これを参考にすると、90日MAを30%以上も下回る大暴落が起こった後は、さすがに短期的な下がり過ぎも限定的にとどまる状況がかなり長く続く可能性がありそうだ。

2018年8月に、トルコリラ/円は90日MAを30%以上も下回った。ただそのような「大暴落」の後は、短期的な下がり過ぎも限定的な状況がかなり長く続く可能性があることを、経験則は示していた。以上からすると、トルコリラは「なぜ下がらなくなったか」という問題への回答は、「大暴落後はそうなるもの」ということになるのではないか