英ポンド/円 (139.20~145.60) 1月16日〜1月22日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは!英国のニュースで最近話題になっているのは、もっぱらヘンリー王子夫妻の王族引退となっています。また今春には天皇陛下がエリザベス女王から招待を受け、訪英されるそうです。去年に続き2020年もブレグジット問題や英王室のことが連日各紙で報じられそうですが、ポンドの動きは膠着状態となっています。

前回コラムの後、英下院は1月9日、EU離脱協定法案を巡る本採決を行い、賛成330票、反対231票で可決しました。法案は上院での審議を残していますが通過は確実で、英国が1月末でEUを離脱することが事実上確定したことになります。

EU離脱協定法案の審議は1月7日に再開し、2日間で新たな条項案5件と条項の修正案2件を巡り投票が行われました。これらには、1月31日までに英国に移住したEU市民に永住権を付与するものや、英・EU間の将来の関係や貿易交渉内容を巡り英下院議員に投票する権利を付与するものなどが含まれています。

今回の法案のポイントは、離脱後の移行期間の延長を禁止したことであり、12月31日までの対EU貿易協定締結に意欲を示しています。ただ、これが実現しなければ、2021年からは世界貿易機関(WTO)の条件に基づいてEUと貿易を行うことになりますので、ジョンソン首相と1月8日に会談したフォンデアライエン欧州委員会委員長は、こうしたスケジュールは非現実的との見方を示しています。

他方、米中第1段階の通商合意の調印式が1月15日に米国で行われ、滞りなく終了しました。

トランプ大統領はホワイトハウスで中国の劉鶴副首相らと共に「われわれは過去の過ちを正し、米国の労働者や農家に対し将来的で経済的な正義と安全をもたらす」と述べ、交渉は今後も必要との認識を示ました。WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)では、次の第2段階の交渉がすでに始まっているとも報じています。

今回の合意では、中国が2年間、追加的に少なくとも2,000億ドル相当の米国の農産品、モノ、サービスを輸入すると確約しています。

個人的には、この一連の米中貿易摩擦の全ては今年の米大統領選挙に向けてのトランプ大統領の自作自演に思えます。そもそも急に中国への関税措置を講じたのはトランプ大統領。そして選挙前に通商合意に持ち込み、自身の大きな手柄に見せているのはとても上手だとしか言いようがないと感じます。

昨年は米中貿易摩擦でかなり相場は荒れましたので、今後のトランプ大統領の行動や言動がまた為替に大きく影響してこないかどうかを見ていかなくてはいけません。

向こう1週間の重要指標です。

16日(木)
21:30 EUR・ECB理事会議事要旨
22:30 米・小売売上高

17日(金)
18:30 英・小売売上高
19:00 消費者物価指数

21日(火)
15:30 日・黒田日銀総裁定例記者会見
8:50 日・日銀金融政策決定会合、政策金利発表、日銀展望レポート
18:30 英・失業率

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/円(月足)
出所:筆者作成

月足トレンドレス中段。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/円(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。下落するならミドルラインまでと想定します。上昇するなら+2σ付近となります。

次に日足チャートです。

【図表3】英ポンド/円(日足)
出所:筆者作成

日足トレンドレス中段。上にも下にもどちらにも行けるため、読みにくい形状と言えます。

最後に4時間足です。

【図表4】英ポンド/円(4時間足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段。トレンドレス逆張りが有効な場面と見ます。4時間足のサポレジどちらかを抜けたら順張り目線に切り替えが必要です。

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:139.20〜145.60              

メインストラテジー:

買いをするなら
・142.50円近辺で4時間足トレンドレス逆張りでエントリー
・143.60円近辺を上にブレイクしたら短期足使って押し目でエントリー
・141.00円近辺日足トレンドレス逆張りでエントリー

売りをするなら
・143.40円〜143.60円から4時間足トレンドレス逆張りでエントリー
・144.10円近辺で日足トレンドレス逆張りでエントリー
・141.00円を下にブレイクをしたら短期足を使って戻り目でエントリー