英ポンド/米ドル (1.2750〜1.3360) 1月9日〜1月15日まで

アナリシス: 

皆さま、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

年始早々、アメリカとイランの地政学的リスクによって、米ドル売り米株安の動きが見られました。昨日未明に、米軍が駐留するイラクのアル・アサド空軍基地に複数のロケット弾が発射されました。米国防総省によると、米国主導の有志連合軍が駐留する少なくとも2ヶ所のイラク軍基地に対し、イランから10数発の弾道ミサイルが発射されたということです。

これによって、昨日は一時的に米ドル/円が107円60銭近辺まで下げたものの、イランは軍事的報復を望んでいないとの見解を示し、それを受けたトランプ大統領のテレビ演説でも米軍の追加攻撃の可能性は示唆されませんでした。この演説後、米ドル/円は109円台まで回復。大きなリスクオフの動きは回避されました。

他方、英国事情を見ますと、1月7日に英下院は、欧州連合離脱協定法案(=通称WAB)を巡る審議を再開。1月31日のEU離脱後に設けられる11ヶ月の移行期間など、法案の詳細を争点とした第3読会が1月9日に開かれる予定です。与党・保守党は昨年12月の総選挙で365議席を獲得しており、同法案の下院通過は確実視されていると英経済各紙は報じています。

下院では今回、78ページに及ぶWABの修正案のうち、採択されたものが議論されます。すでに行われたWABは昨年末の第2読会を、賛成358票、反対234票の大差で通過しています。労働党、自民党、スコットランド民族党の3党は、在英EU市民の権利を保障するよう求めています。領北アイルランドの民主統一党は、北アイルランドとアイルランドの国境問題を巡る「バックストップ」の代替案を破棄する案を提出したものの採用されませんでした。

ジョンソン政権は移行期間内の対EU貿易協定締結に意欲を示していますが、これが実現しなければ、2021年からは世界貿易機関(WTO)の条件に基づいたEUとの貿易が行われることになります。

向こう1週間の重要指標です。

 9日(木)
18:00 英・カーニーBOE総裁発言

10日(金)
22:30 米・雇用統計

13日(月)
18:30 英・GDP

14日(火)
22:30 米・消費者物価指数

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段で+2σまでゆとりあり。どちらかというと下げ方向。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段。一旦上値を試して更新できずにいますので、ミドル付近まで下落してもおかしくない状況となっています。

日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。エントリーしにくい形状です。

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:1.2750〜1.3360

メインストラテジー:

買いをするなら
・日足−2σからトレンドレス下段で逆張りエントリー(1.2880〜1.2930)
・1.3420を上にブレイクしたら短期足を使って順張り押し目からエントリー

売りをするなら
・1.3260近辺もしくは日足+2σ付近の日足トレンドレス上段で逆張りエントリー
・1.3420~1.3480付近で日足Wトップトレンド転換狙いでエントリー
・1.2776ラインを下にブレイクしたら短期足を使って順張り戻り目からエントリー