米ISM製造業景況感指数は5ヶ月連続で活動縮小を示す
2019年12月の米ISM製造業景況感指数は5ヶ月連続で50(景気の強弱の分岐)を下回り、2009年6月以来の低水準まで落ち込みました。
要因は何といっても、米中通商協議を巡る対立激化です。米中通商協議は「第1段階」で原則合意しており、今回の米ISM製造業景況感指数の落ち込みも米ボーイング社の主力機の一時生産停止が影響したからとの楽観的な見方もあります。しかし、半年に近い期間で米ISM製造業景況感指数は弱い数字が続いており、本当にその見方でいいのか少し不安があります。
米中関係がこのまま順調に改善へと進むとは思えません。米大統領選挙を控え、トランプ米大統領が強硬的な姿勢を控えるとの見方が大半のようですが、再び中国の態度に不満をしめせば、中東問題でイラ立ちを抑えきれない中、いつ何を言い出すかわかりません。
企業は先行きの不透明さから積極的な投資を再開するとは思えず、マインドや生産活動は持ち直すどころか、より縮小することも十分にありえます。
米国企業の決算発表に業績サプライズはあるか
現時点では、低金利、株高が心の担保になり、景気減速懸念を抑えていますが、どう見てもISMのトレンドは下向きで絶不調の最中です。
中東地域での一触即発への懸念はいったん和らぎましたが、今週から発表が始まる米国企業の決算内容(10~12月)の方が株式市場にとって重要かもしれません。高いバリュエーションまで買われた米国株式に加え、企業マインドの低迷といった、いま取り囲まれているリスク要因を払拭できるぐらいの業績サプライズがないと、一時的な落とし穴があるかもしれません。
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