◆令和で最初の紅白歌合戦を見て、令和初の初詣でに行き、令和初の初日の出を拝んで迎えた令和初の新年お正月。いよいよ今年2020年はオリンピック・イヤーである。そんなメモリアル・イヤーを迎え否が応でも気分が盛り上がる…といいたいところだが、あまり高揚感がないのは天邪鬼な僕だけだろうか。
◆マンネリ化した紅白も惰性でテレビをつけているだけ。初詣といっても毎日犬の散歩で通る自宅裏の神社だから、ありがたみもあまりない。普段通りの日常の延長線上に2020年がやってきたという印象だ。僕と僕の身近なところはそんなふうに、何事もなく年が明けたのだが、世の中は新年早々大変なことになっている。カルロス・ゴーン被告は保釈条件に違反してレバノンに逃亡するは、米国のトランプ政権はイラン革命防衛隊の司令官を空爆して殺害するは、ビッグ・ニュースが引きも切らない。
◆他にも北朝鮮や中国やロシアなど大きなニュースがあるのだが、かすんでしまう。マーケットも大混乱だ。原油価格は急騰し、リスク回避で安全資産とされる円・米国債・金が買われる展開に。年明けの日本株市場も大幅安は免れ得ないだろう。
◆これだけ世の中とマーケットの動きが激しいと、せめて正月の雰囲気だけは落ち着いたものが良いと思う。そう、令和初だの、オリンピックだの、特別なことは要らないのだ。年越しそば、除夜の鐘、裏の神社が焚く護摩の薫り、毎年変わらぬ我が家の雑煮。新年を迎えられたことに、しみじみ感謝するばかりだ。心静かに、またこの1年、激動のマーケットに対峙する気持ちの準備を整える。それが僕にとっての正月の迎え方である。