【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28551.53 △96.44 (12/23)
NASDAQ: 8945.65 △20.69 (12/23)
1.概況
米国市場は中国政府が来年1月から859品目の関税を引き下げると決めたことが好感され続伸となり、主要3指数が揃って連日で史上最高値を更新しました。ダウ平均は36ドル高でスタートし127ドル高まで買われたあと上値が伸び悩みましたが、その後も堅調に推移すると結局96ドル高の28,551ドルとなり3日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も2ポイント高の3,224ポイントとなりこちらも3日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も20ポイント高の8,945ポイントと9日続伸となりこちらは8日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
11月の米耐久財受注額は前月比2.0%減となり市場予想を下回りました。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注も前月比0.1%増に止まり市場予想を下回っています。また、11月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比1.3%増の71万9000戸に止まり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や不動産、コミュニケーション・サービスなどの6業種が下げ、公益事業は1%近い下落となりました。一方でエネルギーや資本財・サービス、素材などの5業種が上げ、エネルギーは1%余り上昇しています。
4.個別銘柄動向
ボーイング(BA)が3%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で65ドル近く押し上げました。最高経営責任者(CEO)が退任を発表し経営責任を明確化したことで2度の墜落事故を起こした737MAXの運航再開に向けて前進するとの期待から買われました。また、電気自動車のテスラ(TSLA)が中国の銀行団から14億ドルの借り入れで合意したと伝わったことで3%を超える上昇となり上場来高値を更新しました。さらにアップル(AAPL)が目標株価の引き上げを受けて1%以上上昇しています。一方でウォルト・ディズニー(DIS)が1%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。20日に公開されたスター・ウォーズの最新作映画の興行成績が振るわないことが嫌気されました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い1.93%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けてやや買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなかクリスマスの前日で休暇に入る海外投資家も多いことから本日も様子見ムードの強い一日となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)