【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27911.30  △29.58 (12/11)
NASDAQ: 8654.05  △37.87 (12/11)

1.概況

米国市場はFOMCの結果発表を受けて小幅に反発しました。ダウ平均は14ドル安でスタートするとまもなくしてプラスに転じ小幅に上昇しましたが、買いが続かず直ぐに下落に転じると80ドル安近くまで売られるなどその後は軟調な展開がしばらく続きました。しかし、FOMCの結果発表を受けて現行の金利水準が少なくとも来年一杯は続くとの見方から取引終盤に持ち直すとプラスに転じ結局29ドル高の27,911ドルと3日ぶりに反発して取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も37ポイント高の8,654ポイントとこちらも3日ぶりに反発しています。

2.経済指標等

米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利の据え置きを決めました。また、2020年末の政策金利の見通しでは17人のメンバーのうち13人が現行水準からの横ばいを予想し、利上げを予想したメンバーは4人に止まりました。11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.1%上昇し市場予想を上回りました。変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比2.3%上昇し市場予想と一致しています。11月の米財政収支の赤字額は前年同月比1.9%増の2088憶3800万ドルとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や情報技術、資本財・サービスなど8業種が上げました。一方で不動産と金融、エネルギーの3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は14銘柄が上げ、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)とウォルト・ディズニー(DIS)が1%以上上昇しました。また、アップル(AAPL)が目標株価の引き上げを受けて1%近く上げ上場来高値を更新しています。一方で16銘柄が下げ、2021年1月期通期の業績見通しが市場予想を下回ったことでホームセンター大手のホーム・デポ(HD)が2%近く下げ下落率トップとなりました。シェブロン(CVX)も石油・ガス関連の資産で100億-110億ドルの減損損失を計上すると発表したことで1%を超える下げとなりホーム・デポに次ぐ下落率となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、アパレル大手のアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)が第4四半期の既存店売上高がほぼ横ばいに止まる見込みと発表したことが嫌気され6%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%低い1.79%となりました。ドル円は108円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は小幅ながら米国市場が上昇したことから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日本市場は本日も引き続き様子見ムードの強い一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)