前回のコラム「米ドル/円は上値が重く、12月2日からの下落幅に注視」では12月2日からの下げ幅が大事とし、変化日12月9日を前に基準線を割り込むようなら上昇相場はいったん終了と見たほうがいいと述べました。

実際の変動は12月4日108.427円までの下落で基準線を割り込んだものの、何とか重視する108.483円(5月31日実線と交わる遅行スパン)水準に踏みとどまり、12月9日108.429円から反発の有無を試される位置にあります。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

12月10日現在、何とか重要な相場水準に踏みとどまっていますが、遅行スパンは実線に触れており基準線、転換線までの戻りがあったとしても遅行スパン好転の維持は難しいことがわかります。

また12月9日安値は12月4日を割り込んでいないものの、3日、2日、3日の三波動の時間関係にあり、上昇継続ならば12月9日安値を割り込んではいけないのであります。

現在位置からの上昇であっても12月2日からの押しは深すぎです。8月安値を中心とする対等数値の最大時間経過までさほど時間が残されていないことを考えれば、12月27日まで上げられない(あるいは下げる)と見るか、108.483円水準のモミアイを続けると見るかのどちらかとなります。

12月2日から12月27日までは19日間、8月1日から26日までの下落日数18日に見合うものです。4月高値からの下げ三波動変化日にもなりうるだけに、下げが強調されるとすれば12月27日以降の下落ということになりますが、まずは現在位置から反発力があるかどうかが第一の問題であります。

図表2は昨年10月高値からの日足です。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

今年11月7日は、昨年10月高値から見ても今年4月高値から見ても大事な時間関係での高値決まりとなりましたが、12月2日までの上昇でこの高値を上抜きました。

また11月7日から11月14日まで下げていますが、直近安値は11月4日を割り込んではいません。従って現在位置は完全に上昇継続を否定するものにはなっていないのです。

問題は8月安値から細かく波動数を取りすぎてしまっていること、12月2日高値水準が週足先行スパン、月足基準線水準でほぼ頭を押さえられてしまっていることであります。

また今年1月3日の下ヒゲを抜きにすれば、4月までの上昇幅と12月高値までの上昇幅はほぼ見合うものとなっており、このようなケースでは1月安値から80日間の上昇時間も大事になってきます。

8月安値から80日目は12月13日となりますが、仮に12月9日割れとならずとも、反発力が乏しければ確実に転換線は12月13日に確実に転換線は基準線を割り込みます。

12月13日から上昇があれば年内108.483円を中心とする騰落、13日からの下落では改めて6月25日安値水準で止まれるかどうかが問われることになるでしょう。

来年は2015年高値から2016年安値までを第二波動とする大きな時間経過のポイントが2つあります。

2015年高値を上抜けず、また2016年安値を割り込まずという、中間波動の終了ポイントを探る上でも非常に大事ですが、少なくとも年内は相場の方向性につながる騰落を演じることはないと見ます。


※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。