前回まで5月31日相場実線と交わる遅行スパン108.483円水準を重視し、この水準からの騰落が相場の方向性を為す可能性が高いとしてきました。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

直近変動においても遅行スパンは10月15日実線が108.539円で交わり、11月25日の基準線、転換線は108.7円どころで近接していますから、11月25日からの上昇それ自体は評価できるものではありました。

特に2018年10月高値から143日、142日、2019年4月高値から72日、71日の時間関係での変化日11月7日の高値決まりを否定して高値を更新したこと自体は是であります。

結果12月2日高値109.727円までの上昇後、大きな陰線を出す結果となって、12月3日現在位置は日足転換線水準、遅行スパンはぎりぎり悪化せずという状態になっています。

12月2日高値109.727円は週足先行スパン(上限109.575円、下限109.558円)、月足基準線109.585円をわずかに上抜くものです。しかし、日足終値ベースでみればこれら均衡表に頭を押さえられてしまっていることがわかります。

ここではやはり時間関係も問題です。12月2日は8月安値から71日目、5月21日高値から8月安値までの下落日数70日に見合うだけでなく、8月安値からの上げ三波動では三波動の時間内に最も小さい計算値すら達成できない形になっています。

目先重要視するのはまず12月9日までの変動がどうか、次いで12月9日からの変動がどうかということになりますが、これは次の理由によります。

12月9日は8月安値から基本数値76日目(一巡)、2019年5月13日安値109.013円から8月安値まで76日であると同時に、この値段は現時点の日足転換線水準でもあるだけに重要な相場水準になりえるということ、また、目先変動幅が大きくなければ日足基準線は12月9日、10日と受動的に上昇し今一度、2線が交わってくることです。

12月9日前に基準線を割り込むようなら、8月からの戻り相場はいったん終了と見たほうがよいでしょう。また現在位置から12月2日高値を超えていくようなら、仮に12月9日が高値決まりとなっても上昇継続の可能性は残されることとなります。

また重要な三波動構成変化日をいくつも経過し、8月以降の変動では5月31日水準、6月5日安値水準、6月25日安値水準がそれぞれ機能してきているだけに、下げ相場に直結する下落も考えにくいものとなっています。

今年の変動のまとめと2016年からの長期のモミアイ相場の終了の可能性については次回以降述べることとして、12月に入ってからの各均衡表の状態を整理しておきましょう。

【図表2】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

週足均衡表転換線は来週108.806円まで上昇してきます。基準線は107.082円まで受動的に下げ切り当面動きませんが、この水準は今年6月25日水準とみてよいでしょう。

また遅行スパンは今週好転から週目であり、26週足は今週2陽連目ということになります。

108.5円水準を割り込まなければ26週足は長期の陽連が期待できることになり、5月31日水準、6月25日水準が週足でも大事ということがわかるでしょう。

【図表3】米ドル/円(月足)
出所:筆者作成

月足で注目すべきは転換線となります。今後の上昇が無ければ(高値更新が無ければ)転換線は2020年2月まで、受動的に107.082円まで下げてきます。これは週足基準線水準であり、各均衡表では底値モミの更なる長期化の可能性も示唆していることになります。

今週はドル円だけでなくNYダウ、日経平均株価も上昇継続の有無を試される週となります。

米ドル/円自体の値幅が極端化するとは思いませんが、他変動からの影響も注意しておく必要はあるでしょう。

 

※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。