英ポンド/円は、足元139円程度の52週MA(移動平均線)を先週末にかけてほぼ1ヶ月上回った(図表1参照)。経験的には、このように1ヶ月以上といった具合に52週MAを「長く」上回る動きは一時的な上昇ではなく、継続的、つまり上昇トレンドが展開している可能性が高いといえるものだ。
【図表1】英ポンド/円の週足チャートと52週MA(2000~2019年)
要するに、英ポンド/円は、ブレグジット(英国のEU離脱)を材料とした下落トレンドが8月で終わり、上昇トレンドが展開している可能性が高そうだ。その中で、一時的な下落局面があっても、経験的には52週MAを5%以上といった具合に「大きく」下回らない程度にとどまる可能性が高い。
ということは、来週の総選挙が注目されているが、それを材料にもしも英ポンド/円が大きく下落するようになっても132円は割れない可能性が高いといった計算になる。では総選挙などが材料になって英ポンド/円が上がるならいくらまでか。
英ポンド/円の90日MAからのかい離率はこのところ5%前後で推移している(図表2参照)。経験的に、同かい離率がプラス5%以上に拡大すると「上がり過ぎ」懸念が強まり、また同かい離率がプラス10%以上に拡大することはとても少なかった。
足元の90日MAは135円弱なので、それを5%上回る142円を超えてくると短期的な「上がり過ぎ」警戒域といえるだろう。また、90日MAを10%上回る水準は148円程度なので、短期的に150円を超える可能性は極めて低そうだ。
【図表2】英ポンド/円の90日MAからのかい離率(2000~2019年)