【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28121.68 △55.21 (11/26)
NASDAQ: 8647.93 △15.45 (11/26)
1.概況
米国市場は中国商務省が米中の貿易問題で解決に向けて共通の認識に達したと表明したことで協議の進展への期待から小幅に3日続伸となり、前日に続いて主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。ダウ平均は朝方に小幅に下落する場面もありましたが、しばらくして買いが優勢になるとその後は堅調に推移し引け間際には80ドル高近くまで買われました。結局ダウ平均は55ドル高の28,121ドルで取引を終え史上最高値を更新しています。
また、S&P500株価指数も6ポイント高の3,140ポイントとなり史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も15ポイント高の8,647ポイントとなりこちらも史上最高値を上回っています。
2.経済指標等
9月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比2.1%上昇し市場予想を上回りました。また、10月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比0.7%減の73万3000戸となりましたが市場予想を上回っています。一方で11月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は125.5と前月から低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や生活必需品、一般消費財・サービスなどの8業種が上げ、不動産は1%を超える上昇となりました。一方でエネルギーと金融、ヘルスケアの3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回る増収増益となったことや、通期の見通しを引き上げたことで家電量販店大手のベストバイ(BBY)が急伸し10%近く上げました。スポーツ用品販売のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)も通期の見通しを引き上げたことで急伸し18%を超える上昇となっています。また、12日に始めた動画配信サービスの利用者数が順調に増えていると伝わったウォルト・ディズニー(DIS)が1%以上上げ上場来高値を更新しています。
一方でIT大手のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)が決算で売上高が市場予想を下回り減収となったことで8%以上下げています。1ドルショップのダラー・ツリー(DLTR)も通期の1株利益見通しが市場予想を下回ったことで急落し15%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い1.74%となりました。ドル円は109円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか昨日に後場に入って伸び悩んだ日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)