東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は161円高の2万3303円と3日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証マザーズ指数も上昇しましたが東証2部指数は下落しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちだったことを受け日経平均は18円高の2万3160円と横ばい圏で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に一時マイナスに転じましたが、クドロー米大統領国家経済会議委員長が米中貿易協議は第1段階の合意に近づいていると発言したと伝わるとプラスに転じて急速に上げ幅を広げました。前場を164円高で終えた日経平均は後場に入って199円高まで上昇しましたがそこが1日の高値になるとその後は高値圏でのもみ合いとなりました。日経平均は結局161円高で取引を終えました。

東証1部の売買代金は2兆2269億円となりました。東証33業種は水産・農林業やパルプ・紙、海運業、精密機器などの31業種が上昇しました。一方で石油石炭製品と鉱業の2業種が下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が小幅に下げたほか、任天堂(7974)、Zホールディングス(4689)、LINE(3938)がいずれも下落しました。経営統合報道で昨日大幅高となった反動からZホールディングスは7.1%安、LINEは4.7%安とそれぞれ大きく下落しました。一方で東京エレクトロン(8035)、トヨタ自動車(7203)、武田薬品(4502)、ファーストリテイリング(9983)、アドバンテスト(6857)、ソニー(6758)は上昇しました。

その他材料が出たところでは、7-9月決算が大幅な増収増益で従来の通期業績予想を上回って着地し、2020年9月期も増収増益見込みを発表した住宅販売大手のオープンハウス(3288)が14%近い大幅高となりました。一方で今期の業績予想を大幅に下方修正し25億円の最終赤字が発生する見込みとなった「いきなりステーキ」を展開するペッパーフードサービス(3053)は12.6%の大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

米中の交渉進展期待の高まりから日経平均は反発しました。来週も引き続き米中交渉の動向次第での推移となりそうです。また、今週で日本企業の決算発表がほぼ終了しました。全体としては減益の厳しい決算ですが、マーケットは一定織り込んでいたこと、また米中交渉の進展による今後の景気改善期待で堅調さを保っています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)