東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は178円安の2万3141円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。
昨日の米国市場でダウ平均は上昇して史上最高値を更新しましたが、ドル円がやや円高に振れたこともあって日経平均は5円高の2万3325円と横ばい圏で寄り付きました。日経平均はしばらくの間昨日の終値を挟んでのもみ合いとなりましたが、11時に発表された小売売上高や鉱工業生産などの中国の経済指標が総じて市場予想より弱い内容だったことが嫌気されるとマイナスに転じて下げ幅を広げました。前場を55円安で終えた日経平均は後場寄りからさらに下げ幅を広げると13時過ぎに257円安まで下落しました。引けにかけてやや持ち直した日経平均ですが結局178円安で取引を終えました。
東証1部の売買代金は2兆2436億円となりました。東証33業種は情報・通信業と水産・農林業の2業種のみが上昇し残る31業種は下落しました。中でもパルプ・紙と繊維製品が3%以上下げたほか、ゴム製品と鉄鋼も2%前後の下げとなりました。なお寄り付き前に発表された日本の7-9月期実質GDPは年率換算0.2%のプラス成長でした。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。任天堂(7974)、ZOZO(3092)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)、ファーストリテイリング(9983)、アドバンテスト(6857)がいずれも下落しました。中でもアドバンテストは特段の材料は出ておらず朝方はプラスで推移した時間帯もあったものの、後場に入って急落し7.6%の大幅安となりました。ZOZOも2%超下げています。
一方でLINE(3938)と経営統合を検討していると報じられたZホールディングス(4689)が売買代金トップの商いを集めて17%近い大幅高となったほか、ソフトバンクグループ(9984)とソフトバンク(9434)も上昇しました。なおLINEもストップ高となっています。その他材料が出たところでは、外食うどんチェーン「丸亀製麺」などを展開するトリドールホールディングス(3397)が18%超の大幅高で年初来高値を更新しました。丸亀製麺の既存店売上が好調で7-9月期の営業利益が前年同期比61%増と好調だったことが好感されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日本市場は中国の弱めの経済指標をきっかけに利益確定売りが進みました。2万3000円を割り込めずに値を保てるかどうかが目先の注目ポイントとなりそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)