英ポンド/円 (137.50~144.00) 11月14日〜11月20日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは! 英国下院議会選挙が12月12日に決まり、英ポンド/円は膠着状態が続いています。今週もこの流れが続くと想定しつつ、マーケットが動くきっかけとなるものを解説したいと思います。

総選挙のニュースによって、英ポンド/円相場が向こう1週間で動きが出ると予測するのは、少し難しいとみます。各党選挙戦の真っ最中でそれぞれ主張を繰り広げていますが、実際の相場には影響し難いでしょう。

昨日、ジョンソン首相は選挙キャンペーンの中で、EU離脱により英国は「富裕層と貧困層の機会格差」を埋めることができると演説しました。今回が選挙演説として最初のスピーチとなります。その中で、英国がEUを離脱後、地域産業を後押しし、「クリーンエネルギー革命」を推進すると約束しました。その中で、ハイテク研究開発費を180億ポンドに倍増する見解を示しています。

他方、米ドル/円相場はやや軟調な動きです。109.40円近辺が上値として重く、現在は108.80円前後まで下げています。このまま行けば、日足の-2σ近辺の108円近辺まで下落する可能性があります。それに釣られた場合は、英ポンド/円が138円前半までの下げ幅もあり得ると想定します。

現在、日銀の黒田総裁にとって一番避けたい状況は急速な円高に振れることです。筆者は2019年内に100円に迫る円高を想定していましたが、9月以降、10、11月の日銀会合の発表を聞き、年内並びに2020年の前半までに円高が進行する可能性はかなり低いと理解しました。

また、黒田総裁は今月初旬に名古屋で行った講演の中で「この先、海外経済が減速していくとは見ていない」ことと「我が国(日本)の経済も大きく下振れすることはないと考えている」ことを話していました。

これらのことから、米ドル/円は現在のレンジ幅から大きく下方に推移することは考えにくいでしょう。テクニカル分析を中心に、今月中に米ドル/円が一時的に下げることがあれば、そのタイミングで英ポンド/円も安値近辺で買いを入れるのが賢い選択になるかもしれません。

それでは、向こう1週間の重要指標です。

14日(木) 
8:50 日・GDP速報値
16:00 独・GDP速報値
19:00 EUR・GDP改定値
24:00 米・パウエルFRB議長発言

15日(金)
19:00 EUR・消費者物価指数
22:30 米・小売売上高

20日(水)
28:00 米・FOMC議事要旨

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/円(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。このまま11月も陽線となり、ミドルを上抜けしてくるかどうかがポイントです。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/円(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段+2σまでゆとりあり。この4週間で揉み合いとなっていますが、このまま上昇していくのか、直近高値の141円半ばで抑えられるかの場面。下げるとすればMA付近までと想定します。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/円(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。バンドがスクイーズしてかなりボラティリティも低下している状態です。いずれ一気に動いてくることになりますので、それまでは様子見と言えそうです。

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:137.50〜144.00      

メインストラテジー:

買いをするなら
・141.50円を上にブレイクしたら短期足使って押し目でエントリー
・139.20円~139.40円, 138.60円~138.80円, 137.50円近辺まで下落したら、日足トレンドレス逆張りを根拠にエントリー

売りをするなら
・141.50円近辺もしくは、142.80円近辺の週足トレンドレス逆張りを根拠にエントリー