英ポンド/円が、先週末時点で139.5円の52週MA(移動平均線)まで反発してきました(図表1参照)。経験的に、一時的な反発なら52週MA前後までがせいぜい。逆に、52週MAを大きく超えるなら、英ポンド/円はすでに底を打ち、上昇トレンドへ転換した可能性が高くなります。
以上のように、値動きからすると、Brexit(英国のEU離脱)をテーマとした英ポンド/円の下落トレンドはすでに終わったか、まだ継続しているか、重大な岐路を迎えている可能性がありそうです。
たとえば、英ポンド/円は2007年から2012年にかけて下落トレンドが展開しました。その中で一時的な反発は52週MA前後でとどまり、52週MAを大きく上回ると、それはすでに底を打って上昇トレンドへ転換した中で起こった現象でした(図表1参照)。
このように、過去1年の平均である52週MAは、相場が一時的な動きか、継続的な動き、つまりトレンドかを判断する上で「ダマシ」が少ないため参考になります。その意味では、8月126.5円程度から反発に転じた英ポンド/円が52週MAまで戻ってきたことは、すでに英ポンド/円が底を打った可能性を試す値動きになっているものといえるでしょう。
経験的には、52週MAを大きく、長くブレークした場合は、トレンド転換の可能性が高まります。この「大きく」「長く」は、米ドル/円の経験を参考にすると、5%以上、1カ月以上が目安になります。
これを参考にすると、英ポンド/円が146円を上回るか、12月にかけて52週MAを上回るようなら、英ポンド/円はすでに上昇トレンドに転換した可能性が高まります。英国では12月12日に総選挙が予定されていますが、その総選挙前に、英ポンド/円のトレンドが決着する可能性があるわけです。
そんな英ポンドの動きは、ユーロにも影響する可能性がありそうです。8月頃から、それまで以上に英ポンドとユーロの対米ドルでの値動きに連動性が出てきました。その意味では、英ポンドがすでに底を打ったなら、昨年から続いてきたユーロ下落トレンドも終わった可能性を注目する必要が出てくるかもしれません。