【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27046.23 ▼140.46 (10/31)
NASDAQ: 8292.36 ▼11.62 (10/31)
1.概況
米国市場は中国高官が包括的で長期的な合意に疑問を呈していると伝わり米中貿易摩擦への懸念が再燃したことやシカゴPMIの悪化を嫌気して反落となりました。ダウ平均はほぼ横ばいでスタートしましたが、大きく下げ幅を広げると取引終盤には268ドル安まで下落しました。その後引けにかけて下げ幅を縮めたもののダウ平均は結局140ドル安の27,046ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も11ポイント安の8,292ポイントとなっています。
2.経済指標等
10月の米シカゴ購買担当者景気指数(PMI)は43.2と前月から悪化し市場予想も下回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比5000件増の21万8000件となり市場予想を上回る悪化となっています。また、9月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増となり市場予想と一致しました。9月の米個人所得も前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。7-9月期の米雇用コスト指数も前期比0.7%上昇し市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、資本財・サービスと素材が1%以上下落しました。一方で公益事業とコミュニケーション・サービスが上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでもスリーエム(MMM)が2%安となったほか、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)とキャタピラー(CAT)も2%近く下落しました。一方で決算が市場予想を上回ったアップル(AAPL)が2%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、フェイスブック(FB)が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで2%近く上げました。ウエスタンデジタル(WDC)は10-12月期の業績見通しが市場予想を下回ったことで急落し17%近く下げています。配車サービス大手のリフト(LYFT)も目標株価の引き下げが相次いだことで6%余り下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%低い1.69%となりました。ドル円は円高に振れ108円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)