米ドル／円 日足

週間予想レンジ：108.00～110.00

メインストラテジー：押し目買い

・リスク要素の緩和でリスクオンのムードへ復帰
・米株高の基調は不変、米国株次第なら円売りの余地
・8月高値は分水嶺、ブレイクがあれば新たな段階へ

【図表1】米ドル／円（日足）
出所：筆者作成

アナリシス：

先週の値幅は限定的だったものの、先々週の大幅切り返しを継承し、8月高値109.33円を打診する勢いを保った。9月末までの調整が106.48円に留まったこと、また再度109円関門寸前まで上昇してきた値動きに鑑み、これから109.33円のブレイクをもって本格的な上昇波へ進化する公算。

8月1日の大陰線、典型的な「弱気リバーサル」＆「アウトサイド」のサインを点灯したからこそ、8月の安値につながった。そのため同日の高値は「分水嶺」の役割を果たし、再打診やブレイクがあれば最早「切り返し」ではなく、本格的な上昇波へと進化していくだろう。今週の焦点は109.33円の打診やブレイクの有無にあり、確率は高いとみる。

度々強調してきたように、8月26日の一時安値更新、また当日の陽線引けがあって、底打ちを果たす「リバーサル・デー」になったわけだ。同サインの有効性は目先を含めその有効性が証明された以上、8月高値109.33円の打診やブレイクをもたらすはずだ。

実際、切り返しの途中における調整が106円台に留まったことも重要なポイントだ。同安値からの上昇があって、日足における「ヘッド＆ショルダーズ・ボトム」というフォーメーションの成立につながった。そして、先週の高値トライをもって、同「ネックライン」のブレイクにつながり、これからの上値志向や高値余地を示唆している。

8月安値「ヘッド」と見なし、6月と10月安値を「ショルダーズ」と見なした場合は同フォーメーションの大型化も想定され、109.33円のブレイクがあっても単に通過点に過ぎないだろう。200日線（約109.07円）の通過も含め、これから基調の更なる好転や上昇モメンタムの加速を確実視、結果的に4月高値112.41円の回復に道筋を付けるだろう。

最近のサインは10月1日高値のブレイクであった。同日罫線のサインも弱気「リバーサル」や「アウトサイド」だったので、高値更新で一段と上値余地を拓いたわけだ。同じ意味合いでは、108円半ばは再度サポートとなる可能性が示唆され、また前記8月1日高値の打診やブレイクの「前例」を果たすだろう。

諸材料次第で、また一波乱の可能性がある。ただ米国株の上昇基調が維持される限り、変動率の拡大があれば総じて遅れたロング筋に押し目買いの好機を提供してくれるとみる。本格的なリスクオンのムードはこれからだろう。

豪ドル／円 日足

週間予想レンジ：74.00～76.00

メインストラテジー：押し目買い＆高値追い

・8月の底打ち、9月高値のブレイクをもって確定されよう
・9月高値のブレイクを確実視、7月高値76円台前半へ戻す公算
・10月10日から強気サインの連発でモメンタムの加速も

【図表2】豪ドル／円（日足）
出所：筆者作成

アナリシス：

先週は続伸、先々週の強気サインを継承した。9月高値74.51円のブレイクは間近い。10月安値71.72円までの調整、途中のスピード調整として位置付けできたことは正解である。また9月高値への接近をもって、8月安値を起点とした上昇波の継続を強く示唆している。

もっとも、9月13日高値74.51円までの大幅続伸はほぼ一本調子だったので、スピード調整はむしろ健全な値動きとされ、10月2日安値71.72円までの反落はサプライズではなかった。

8月安値を起点とした全上昇波の0.618FIBO押し位置に留まったこともシグナルだった。その上、10月10日大陽線が点灯した強気「リバーサル」のサインや10月11日～16日で形成された「インサイド」サイン、そしてその後の上放れなど、連続した強気サインの点灯で上昇モメンタムの加速を示した。今週も強気変動を有力視する。

7月後半から大きく続落し、米ドル／円と連動、また豪ドル／米ドルの続落という「ダブルパンチ」で一気に年初来安値を更新した。しかしながら、繰り返し指摘したように、その安値更新自体が下落波の「クライマックス」のサインと見なすべきで、安値更新後の下値余地が限定的なら、むしろ底打ちしやすかった。

我々の推測の通り、8月26日のサインが果たした「リバーサル・デー」の役割が大きく、9月高値のブレイクをもって最終認定が図られる公算だ。

この場合、最早「切り返し」ではなく、本格的な上昇波としてまず200日線や7月高値の打診につながるだろう。76円関門や76円台前半はターゲットと化し、早ければ今週達成されよう。9月高値はあくまで通過点であり、通過される場合は、「押し目待ちの押し目なし」といったリスクさえあるとみる。

米中協議や英EU離脱など、リスク材料の最終解決までなお紆余曲折と想定されるが、市場は諸リスク要素を織り込み済、そこに緩和の兆しがあれば、むしろリスクオンの可能性を織り込もうと急ぐ。

このような市場センチメントの変化も含め、近々豪ドルの強気変動が継続され、また上昇波としてのモメンタムが一段と加速される見通しだ。