【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27001.98 ▼22.82 (10/16)
NASDAQ: 8124.18 ▼24.52 (10/16)
1.概況
米国市場は冴えない経済指標や米下院が香港人権・民主主義法案を可決したのに対して中国が報復を示唆していると伝わったことなどが重石となり小幅反落となりました。ダウ平均は52ドル安でスタートすると81ドル安まで売られましたが、持ち直すと午後は前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。結局ダウ平均は22ドル安の27,001ドルとなり、前日に回復した節目の27,000ドルを何とか維持して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も24ポイント安の8,124ポイントとなっています。
2.経済指標等
9月の米小売売上高は前月比0.3%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。8月の米企業在庫も前月比で変わらずとなり市場予想を下回りました。一方で10月の全米住宅建設業協会(NAHB)の住宅市場指数は71となり市場予想を上回っています。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は、米経済は9月から10月上旬にかけてわずかもしくは緩やかなペースで拡大したとしています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや情報技術、金融などの6業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。一方で一般消費財・サービスや素材などの5業種が上げました。
4.個別銘柄動向
バンク・オブ・アメリカ(BAC)が決算を受けて1%以上上げました。決算は減益だったものの1株利益が市場予想を上回ったことで買われました。航空大手のユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス(UAL)も2019年12月期の1株利益の見通しを上方修正したことで2%余り上げています。一方でソフト大手のアドビ(ADBE)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて2%以上下げました。クラウド上での財務・人事管理ソフトを手掛けるワークデイ(WDAY)も目標株価の引き下げが相次いだことで急落し11%を超える下落となっています。また、取引終了後に決算を発表したIBM(IBM)が時間外で大きく下げています。決算で売上高が5四半期連続で減収となり市場予想を下回ったことが嫌気されています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い1.74%となりました。ドル円は引き続き108円台後半での推移となっています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場が小幅な下落にとどまったことから本日の日本市場は年初来高値を更新した昨日の地合いを引き継いで堅調なスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで堅調さを維持し日経平均が節目の22,500円を回復できるかが引き続きポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)