知っている人がトクをするより、もはや知らないと損をする

まるで夏のような暑さのまま、10月に入り、消費税も10%に増税されました。ニュースを見ると9月末に駆け込みで軽減税率対象の食品まで買いだめするなど、キャッシュレス決済のポイント還元についてはよく分からないという方が多いようです。たしかに複雑ですよね。

キャッシュレス決済については以前のコラム「キャッシュレス決済をお金の管理に役立たせる」でも取り上げていますが、この10月からは特に期間限定でおトクですので、使わない手はありません。

そもそも昔の日本(昭和の頃?)は真面目に生きていれば「損をすることはない」はずでした。お金儲けを考えたり、様々な手法を試みたりすることは美しいことではなく、したがって子どもにお金の話をしたり、ましてはお金を勉強するという発想は一般的ではありませんでした。

時代が変わり、小学生から投資教育を、という考えも少しずつ広がってきている(と信じたい…)のですが、大人の方が難しい、面倒くさいと距離を置いてしまっている方も多いのが現状です。

でも今回のキャッシュレス・ポイント還元事業のように、知っている人がトクをするというより、もはや知らないと損をするというところまで来ています。

事前登録をしなければポイント還元されないものも

これまでポイントカードでお財布を膨らませ、結局貯めているだけで使うことのないまま終わってしまう…という経験をされている方も多いと思います。こうしたポイントカードは民間企業がサービス、もしくは広告活動として行っているものです。

今回のキャッシュレス・ポイント還元事業というのは、消費税増税にあたり消費の落ち込みを最小限にし、国民の負担軽減を目的とした国の制度です。

これは「キャッシュレス」のマーク(ステッカーやポスター)を掲げているお店でキャッシュレス決済をした場合、最大5%がポイント還元されるという制度で、消費者還元期間は2019年10月から来年2020年6月までです。

クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、各決済、会社ごとに還元金額の上限や還元方法などが異なります。多くの場合は利用すれば自動的にポイント還元される仕組みになっていますが、一部のクレジットカードや電子マネーは事前にWEB上で登録をしなければポイント還元されないものもあります。今のうちにぜひご確認くださいね。

同じ日に同じお店で同じものを買っても、現金で支払うかキャッシュレス決済するかでは結果的には支払う金額が異なってくるのです。現金で支払うことで「損」してしまうわけです。

お金についてだけでなくネットのリテラシーも必要

ただし、注意すべきは前述どおり「キャッシュレス」のマーク(ステッカーやポスター)を掲げている登録を受けた店のみ、しかも決済手段は店によって決められているという点。対象店舗や決済手段については公式アプリや公式サイトのマップから確認することができます。

こうしたポイント制度も基本はPCやスマホがないと詳細な情報収集が難しく、また投資やお金についてのリテラシーを高めるにもネットのリテラシーが必要です。

新しいものを拒絶すると置いて行かれるだけではなく、損してしまうことに繋がります。高齢化社会に向けて世の中の動きに対するアンテナは高くし続けるようにしていきたいですね。