【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26201.04  △122.42 (10/3)
NASDAQ: 7872.27  △87.02 (10/3)

1.概況

米国市場は追加の利下げ観測が高まり3日ぶりに反発しました。39ドル安でスタートしたダウ平均は冴えない米ISM非製造業景況感指数の発表を受けて335ドル安まで一気に売られましたが、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げに動きやすくなるとの見方が強まったことでハイテク株中心に買いが入りプラスに転じると午後に上げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は122ドル高の26,201ドルとこの日の高値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は87ポイント高の7,872ポイントとなり1%を超える上昇となっています。

2.経済指標等

9月の米ISM非製造業景況感指数は52.6と前月から低下し2016年8月以来3年1ヵ月ぶりの低水準となり市場予想も下回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比4000件増の21万9000件となり横ばいを見込んでいた市場予想に反して悪化しました。一方で8月の米製造業受注は前月比0.1%減となりましたが市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーと情報技術、不動産が1%を超える上昇となったほか、ヘルスケアも1%近く上げています。

4.個別銘柄動向

飲料のペプシコ(PEP)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで3%高となりました。生活雑貨のベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことから3%近く上げています。さらに新たな写真・動画共有アプリのサービス「スレッズ」を開始したと発表したフェイスブック(FB)が3%近く上げました。一方で写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を運営するスナップ(SNAP)はスレッズに利用者が流れるとの懸念から3%以上下げています。

また、電気自動車のテスラ(TSLA)が7-9月期の世界の販売台数が市場予想を下回ったことで4%以上下げています。小型カメラのゴープロ(GPRO)は製品の生産の遅れを理由に2019年後半の売上高見通しを引き下げたことで急落し19%安となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%低い1.53%となりました。ドル円は円高に振れ106円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場が反発した一方でドル円が円高となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか2日間で540円以上下げた後ということもあって日経平均が自律反発の動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)