消費税増税前に生活必需品をまとめ買いしてもスペースの無駄
10月1日から日本国内の消費税が8%から10%に引き上げられました。9月末には、増税前の駆け込み購入ということで、まとめ買いをする光景がメディアで報道されていました。9月30日の「増税への抵抗」とした消費行動は、合理的な行動といえるのでしょうか。
例えば、トイレットペーパーのような生活必需品のまとめ買い。ドラッグストアで売っている大きな12ロールパックでも、せいぜい500円くらいです。2%の増税でわずか10円の違いです。
1万円買えば、2%で200円ですが、今度は部屋中トイレットペーパーで溢れてしまい、保管スペースが必要です。そのスペースに払っている家賃を計算してみれば、安い生活必需品をまとめ買いするのは、割に合わないことがわかります。
家電製品は増税すると反動で価格が下がるから慌てて買う必要はない
また、高額の家電を買う人もいました。洗濯機やテレビなどは10万円以上することもあり、確かに2%は馬鹿にならない金額です。しかし、家電製品は価格が変動します。増税前は、慌てて購入する人が増えるので、実売の値段が上がります。
電化製品の価格を比較するサイトを見ると、最安値が2%以上上昇しているのがわかります。また、注文が増えると在庫のない商品も増えて、納品までの時間がかかる場合も増えてしまいます。
増税後の10月に入ると、反動で売り上げが減少し、価格も下がることが予想できます。だったら、増税後の反動で価格が下落した時に、ゆっくり選んで購入する方が賢い方法といえるのです。
唯一の例外と言えるのが、宝飾品や高級時計といった高額ブランド商品です。これらを正規のお店で購入する場合、価格は電化製品のように変動しません。10月になると2%分しっかり価格がアップします。海外の製品は、消費税だけではなく為替レートの変動によっても価格改定がありますが、為替が変わらない、あるいは円安になれば、消費税分が価格に上乗せされることは確実です。
しかし、クレジットカードなどを使ったキャッシュレスの支払いに関しては、ポイント還元などの優遇策もありますから、10月になってから購入しても、デメリットはほとんど無いと言えるのです。
消費税増税前に慌てて購入するメリットはほとんどない
そもそも、消耗品を大量に購入すると消費量がどうしても増えてしまいます。トイレットペーパーが部屋に大量にあれば、早く減らそうとして2%くらい、すぐ余計に使ってしまいます。また、まとめ買いの際に、普段なら買わない余計なものまで買ってしまうこともあります。お店の戦略にまんまとはめられていることになるのです。
このように考えてみると、消費税増税前に慌てて商品を購入するのは、ほとんどの場合メリットよりもデメリットが大きいと言えるのです。
私は、今回の消費税増税で、個人投資家が考えておくべきこと、今からやっておくべきことが、さらにクリアに見えてきたと感じています。それについて次回書いてみたいと思います。