東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は129円高の2万1885円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども上昇しました。米中関係悪化への懸念が後退し前日の米国市場が反発したことを受けて、日経平均は75円高の2万1831円と反発して寄り付きました。ドル円が108円台前半まで円安に振れたことなどから上げ幅を広げた日経平均は10時半過ぎに182円高と1日の高値をつけました。前場を160円高の2万1916円で終えた日経平均は、後場に入ると小幅な値動きのなかやや上げ幅を縮めて129円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9974億円と活況の節目である2兆円をやや下回りました。

東証33業種は鉱業と不動産業を除く31業種が上昇しました。中でもパルプ・紙が2.8%超上昇したほか、証券商品先物やゴム製品、海運業がいずれも2%以上上昇しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が2.2%上昇したほか、ソフトバンクグループ(9984)やエムスリー(2413)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、村田製作所(6981)が上昇しました。中でも日経平均採用銘柄となったエムスリーは前日に続いて大幅に上昇しました。一方でコロプラ(3668)とファーストリテイリング(9983)は下落しました。新作スマホゲーム「ドラクエウォーク」の配信開始以降株価が約2.5倍まで上昇していたコロプラは11.9%下落しました。また、同ゲームを共同制作したスクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)も7.7%下落しました。

その他材料が出たところでは、グローバルワークやローリーズファームなどの衣料品ブランドを展開するアダストリア(2685)が30日に発表した2019年3~8月期決算で、増収増益となったうえ上期としては連結売上高が過去最高を更新したことなどから買いが入り13.8%上昇しました。また、同日2019年3~8月期決算を発表した衣料品チェーンのしまむら(8227)も事前報道を上回る業績で着地したことが好感されて7%上昇しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は米国株の反発を受けて上昇しましたが、日経平均が節目の2万2000円を回復するには至りませんでした。取引開始前に発表された9月の日銀短観では大企業製造業の業況判断指数が3期連続で悪化したものの市場予想は上回りました。また、消費増税の影響が懸念される小売りや対個人サービス部門でも景況感の悪化が見られました。世界的な景気後退が懸念されるなか、本日23時に発表される米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数の結果が注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部)