【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26807.77  ▼142.22 (9/24)
NASDAQ: 7993.63  ▼118.84 (9/24)

1.概況

米国市場は民主党のトランプ米大統領への弾劾機運の高まりを受けて下落しました。ダウ平均は閣僚級の米中貿易協議が2週間後に開かれる見通しだと伝わったことや、中国企業による米国産大豆の新たな購入が明らかになったことなどにより米中貿易協議の進展期待が高まり朝方に130ドル高近くまで買われました。しかし、冴えない経済指標の発表を受けて上げ幅を縮めマイナスに転じるなか民主党のペロシ下院議長がトランプ米大統領の弾劾に関する調査を開始すると伝わると下げ幅を広げ一時は245ドル安まで売られました。その後引けにかけて持ち直したダウ平均ですが結局142ドル安の26,807ドルで取引を終え反安となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も118ポイント安の7,993ポイントと3日続落となり節目の8,000ポイントを割り込んでいます。

2.経済指標等

9月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は125.1と前月から低下し市場予想も下回りました。また、7月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数も前年同月比2.0%上昇に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、エネルギーとコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービス、情報技術が1%を超える下落となりました。一方で公益事業と生活必需品が上げ、公益事業は1%余り上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が下げました。そのなかでもダウ(DOW)とゴールドマン・サックス(GS)、インテル(INTC)が2%を超える下落となったほか、キャタピラー(CAT)も2%近く下げています。一方でボーイング(BA)が1%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、動画配信大手のネットフリックス(NFLX)が目標株価の引き下げを受けて4%以上下げています。電気自動車のテスラ(TSLA)は経営陣が資金繰りに問題があるのを知りながら高値で太陽光パネル設置のソーラーシティを買収したと伝わり7%を上回る下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.08%低い1.64%となりました。ドル円ではさらに円高が進行し107円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の22,000円を割り込みそうですが、短期的な過熱感も意識されるなかで朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)