東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は228円高の2万1988円と2017年10月以来約2年ぶりに9日続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが、マザーズ指数は小幅に続落しました。

米トランプ大統領による対中関税発動延期の発表や欧州金融緩和などを好感した米国株高を受けて日経平均は148円高の2万1907円と続伸して寄り付きました。寄り付き直後やや上げ幅を縮める場面も見られましたが、ドル円が108円台で推移したこともありすぐに盛り返した日経平均は187円高の2万1947円で前場を終えました。後場に入ってからも高値圏で推移した日経平均は、13時半過ぎに一時節目の2万2000円を超えるとその後は2万2000円の節目が意識される展開となりました。取引終了間際に2万2019円の高値をつけた日経平均ですが結局2万2000円をわずかに割り込んで取引を終えました。東証1部の売買代金はSQ日ということもあり3兆3348億円まで膨らみました。

東証33業種は証券商品先物を除く32業種がいずれも上昇しました。中でも不動産業や繊維製品が2%超上昇したほか、水産・農林業や陸運業などが上昇しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が3.2%上昇したほか、ファーストリテイリング(9983)やトヨタ自動車(7203)、リクルートホールディングス(6098)、任天堂(7974)、ソニー(6758)、ヤフー(4689)が上昇しました。一方でZOZO(3092)や東京エレクトロン(8035)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)は下落しました。ZOZOはヤフーによる買収発表を受けた前日の大幅高から反落し0.4%安となっています。一方でヤフーは5%近い大幅続伸となりました。

その他材料が出たところでは、ネット印刷のラクスル(4384)が12日に発表した2019年7月期決算で増収増益となったものの市場予想を下回り、2019年5~7月期では営業赤字となったことなどから売りに押されて6.2%下落しました。また、新興市場ではフリマアプリのメルカリ(4385)が12日に発表されたヤフーによるZOZO買収や通販サイトZOZOTOWNへのスマートフォン決済「PayPay」導入を受けて、インターネット小売り分野やスマートフォン決済分野での競争激化が懸念されて続落し4.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は米国株高や1ドル108円台まで進んだ円安を好感した買いが優勢となりました。利益確定の売りも出やすいなか一時は2万2000円の節目を上回った日経平均が、来週終値でも2万2000円回復をすんなりと達成できるのか注目されます。また、来週は日銀の金融政策決定会合と連邦公開市場委員会(FOMC)という日米の金融政策決定会議が行われます。欧州中央銀行(ECB)が金融緩和に動いた中で日銀がどのような方針を示すのか注目されます。また、FOMCでは利下げ実施が有力視されています。

(マネックス証券 プロダクト部)