先週土曜日は全国投資セミナーを札幌で開催した。前日の金曜夜に札幌入りしたが、着いた時は雨が降っていて肌寒かった。東京を出るときは厳しい残暑だったため、羽織るものをもっていかなかったことを後悔した。だが、翌土曜日は蒸し暑い1日だった。大通公園ではオクトーバーフェスタが開かれていたが、札幌の屋外で飲むビールのうまさは、北海道のカラッとした気候にある。こうも湿度が高いと外でビールを飲んでも味わいは半減する。

9月に入っても札幌でさえこの暑さ。北海道は観測史上初の9月の真夏日となるかもしれないと天気予報は伝えていた。明らかに異常気象だろう。異常気象といえば大雨もそうだ。先日九州北部を襲った記録的な豪雨では大雨特別警報が出されたが、特別警報は「数十年に1度」の災害が差し迫ったときに発表される最大級の警報だ。それが毎年のように出されている。異常である。

海外ではカリブ海の島国バハマを襲ったハリケーン「ドリアン」が壊滅的な被害をもたらした。もともとハリケーンの多い土地だが今回の被害の大きさは記録破りだ。世界的な気候変動のリスクが高まっている。そんなことを言っているうちに、国内でも台風15号が関東地方を直撃する。このコラムが配信されるころには首都圏ではピークを超えそうだが、被害が広がらないことを願いたい。

われわれが札幌に向かった6日は北海道地震の発生から丸1年。到着した時降っていた雨は犠牲者を悼む涙雨だった。道内では今もおよそ980人が仮設住宅で暮らし、復興は道半ばである。しかし壊れたものは必ずもとに戻る。天災による被害から街や人々の暮らしが立ち直るように、壊滅的な相場の崩壊から市場も立ち直る。今度の週末で「100年に一度の危機」と呼ばれたリーマンショックの発生から11年が経つ。豪雨や震災の被災者に平安な暮らしが早く戻ることを祈りつつ、11年前のあの時を想い起こしている。