【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26118.02  ▼285.26 (9/3)
NASDAQ: 7874.16  ▼88.72 (9/3)

1.概況

米国市場は中国が米国の追加関税措置を世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表したことや、9月に開催する予定の米中の閣僚級の貿易協議の日程調整が難航していると伝わったことに加えて、冴えない経済指標も嫌気され大きく下落しました。ダウ平均は205ドル安でスタートすると50を割り込んだ米ISM製造業景況感指数の発表を受けて下げ幅を広げ425ドル安まで売られました。その後やや持ち直したダウ平均は引けにかけて下げ幅をさらに縮めたものの結局285ドル安の26,118ドルで取引を終え4日ぶりに反落となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も88ポイント安の7,874ポイントと続落となりました。

2.経済指標等

8月の米ISM製造業景況感指数は49.1と好不況の分かれ目である50を3年ぶりに割り込み市場予想を下回りました。また、7月の米建設支出も前月比0.1%増に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、資本財・サービスと情報技術、金融、コミュニケーション・サービスが1%以上下落しました。一方で公益事業と不動産、生活必需品の3業種が上げ、公益事業と不動産が1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

2度の墜落事故を起こした737MAXの運航停止が長引く可能性があると伝わったことでボーイング(BA)が2%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、ゴールドマン・サックス(GS)とアメリカン・エキスプレス(AXP)も2%を超える下落となり、ボーイングとゴールドマン・サックスとアメリカン・エキスプレスの3銘柄でダウ平均を120ドル近く押し下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、中国が米国の追加関税措置を世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表したことで米中の対立激化が懸念されるなか米中のスマートフォンメーカーを主な顧客とする半導体のクアルコム(QCOM)が3%以上下げました。さらにメディアのCBS(CBS)が目標株価の引き下げを受けて2%近く下げています。一方で投資判断の引き上げを受けて半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)が1%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い1.45%となりました。ドル円は105円90銭台で推移しています

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安と円高を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)