【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26403.28  △41.03 (8/30)
NASDAQ: 7962.88  ▼10.51 (8/30)

1.概況

先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。中国外務省の担当者が米中の交渉団が意思疎通を続けていると述べたと伝わるなか米中貿易協議進展への期待からダウ平均とS&P500株価指数は3日続伸となりましたが、大手ハイテク株に売りが出たことでナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落となりました。ダウ平均は114ドル高でスタートするとまもなくして152ドル高まで買われましたが、買いが続かず上げ幅を縮めるとその後は前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました、結局ダウ平均は41ドル高の26,403ドルで取引を終えています。

また、S&P500株価指数も1ポイント高の2,926ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は10ポイント安の7,962ポイントとなりました。

2.経済指標等

8月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は50.4と前月から上昇し市場予想も上回りました。7月の米個人消費支出(PCE)も前月比0.6%増となり市場予想を上回りました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比1.6%上昇し市場予想と一致しています。一方で7月の米個人所得は前月比0.1%増に止まり市場予想を下回りました。8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も89.8と速報値から下方修正され市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や資本財・サービス、金融などの8業種が上げました。一方で一般消費財・サービスと生活必需品、コミュニケーション・サービスの3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、インテル(INTC)、キャタピラー(CAT)が1%以上上げています。一方でシスコシステムズ(CSCO)が1%近く下げています、また、アルファベット(GOOGL)傘下のグーグルがiPhoneの基本ソフトが個人情報保護の面で脆弱性を抱えているとの調査結果を公表したことからアップル(AAPL)が小幅に下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、パソコン大手のデル・テクノロジーズ(DELL)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことで急伸し10%高となりました。食品大手のキャンベル・スープ(CPB)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことから4%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの1.49%となりました。ドル円は106円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場が高安まちまちとなり、ドル円もやや円高となるなど買い材料に乏しいことから本日の日本市場は売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか東証1部の売買代金が2兆円を先週末に続いて維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)