【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25479.42 ▼800.49 (8/14)
NASDAQ: 7773.94 ▼242.42 (8/14)
1.概況
米国市場は中国やドイツの経済指標が冴えない内容となり世界経済の減速懸念が強まるなか、米国の債券市場で景気後退の兆候とされる10年債利回りと2年債利回りが逆転する逆イールドが一時発生したことで大幅反落となりました。244ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに750ドル安程度まで下落すると一旦下げ渋りましたが、その後も軟調に推移すると取引終盤に再び下げ幅を広げ結局800ドル安の25,479ドルとこの日の安値圏で取引を終えました。ダウ平均の下げ幅は今年最大となっています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も242ポイント安の7,773ポイントとなりました。ダウ平均とナスダック総合株価指数は揃って3%安の大幅な下げとなっています。
2.経済指標等
7月の米輸入物価指数は前月比0.2%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比0.2%上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが4%以上下落したほか、金融と素材、一般消費財・サービス、情報技術、コミュニケーション・サービスも3%を超える下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもダウ(DOW)が6%近く下落したほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も5%安となっています。また、ゴールドマン・サックス(GS)とJPモルガン・チェース(JPM)、エクソンモービル(XOM)、シスコシステムズ(CSCO)も4%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、百貨店大手のメーシーズ(M)が決算が市場予想を下回る減収減益となったうえ、通期の1株利益の見通しを引き下げたことから急落し13%を超える下落となりました。メーシーズの急落は他の百貨店株にも波及し、ノードストローム(JWN)が10%以上下げ、JCペニー(JCP)も5%近く下げました。さらにメーシーズの急落はアパレル株にも波及し、ラルフローレン(RL)が6%安、ギャップ(GPS)も8%近く下げています。一方で食品スーパーのグロサリー・アウトレット・ホールディング(GO)が決算で売上高が市場予想を上回ったことから5%余り上げています。
5.為替・金利等
長期金利(10年債利回り)は0.12%低い1.58%となりました。2年債利回りは一時1.59%をつけ10年債利回りを上回る場面がありました。ドル円は円高が進み105円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場はダウ平均が今年最大の下げ幅となったことから大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ幅を広げ節目の20,000円を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)