今週は日本がお盆休みで市場参加者が少なくなるなか、海外市場に波乱があった場合、東京市場でも値動きが通常よりも荒くなりやすい。特に為替市場で円高圧力が強まっており注意が必要だ。ドル円相場は105円台半ばを切っており、ここまでくると年初来安値104.79円まで意識される。105円割れを試しにいくような展開になればさすがに日経平均も2万円割れの可能性が高まる。だが従来から述べている通り、日経平均2万円割れ=PBR1倍割れ=ボトムであり、瞬間的なものにとどまるだろう。

引き続き米中対立の先鋭化が市場のセンチメントを悪化させそう。先週トランプ氏は、「中国と合意する準備ができていない」と述べ、9月上旬にワシントンで開く予定の閣僚級協議を中止する可能性にも言及した。他方、中国も1ドル7元台の人民元安を容認、米国からの農産品の購入を止めるなど譲らない構えを見せている。昨年成立した米国防権限法(NDAA)に基づき、米政府機関が華為技術を含む中国企業5社の製品調達禁止が13日に発効する。華為技術への禁輸を緩和する暫定措置も19日に期限を迎えるなか、この分野を巡って応酬が繰り広げられるかもしれない。

経済指標では、米国で7月CPI、7月小売売上高、8月ニューヨーク連銀製造業景況指数、フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、7月鉱工業生産などが発表される。中国でも7月の工業生産、固定資産投資など重要経済指標の発表が14日に集中する。

今週の予想レンジは2万円~2万800円とする。