東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は76円高の2万593円と5営業日ぶりに反発しました。マザーズ指数も小幅に上昇しましたが、TOPIXやJPX日経400、東証2部指数は下落と主要指数は高安まちまちでした。

日経平均は前日までの4日間で1,000円超下落していたことから12円高の2万529円と小幅に反発して寄り付きました。まもなくマイナスに転じ一時53円安まで下落した日経平均でしたが、中国が設定した人民元取引の基準値が極端な元安水準ではなく米中貿易摩擦への警戒感が和らいだことなどからその後上昇に転じると、急速に上げ幅を広げて11時前には165円高と1日の高値をつけました。前場を120円高の2万636円で終えた日経平均は、後場に入るとやや上げ幅を縮めながらも堅調に推移し76円高の2万593円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆878億円でした。

東証33業種はゴム製品や精密機器、建設業などの14業種が上昇した一方で、石油石炭製品、鉱業、海運業などの19業種が下落しました。中でも石油石炭製品は4.5%下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が2.7%下落したほか、ソニー(6758)やキーエンス(6861)、武田薬品工業(4502)が下落しました。中でもソフトバンクグループは7日に発表した2019年4~6月期決算で、アリババ集団の株式一部売却などが寄与して純利益が前年同期比3倍以上の大幅増益となったことから一時2.4%上昇しましたが、今後の相場環境次第で高い利益水準を維持できないのではとの見方もあり売りに押されました。一方で任天堂(7974)やトヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、ソフトバンク(9434)、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)は上昇しました。

その他材料が出たところではスポーツ用品のミズノ(8022)が、7日に発表した2019年4~6月期決算で海外事業の採算改善などから純利益が前年同期比64%増と大幅に増加したことで買われ、一時年初来高値を更新して終値でも8.9%上昇しました。一方で百貨店などを展開する丸井グループ(8252)は7日に発表した2019年4~6月期決算で小売事業が不振だったことなどで営業利益が前年同期比微増にとどまり市場予想を下回ったことから売られ13.2%下落しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は、午前中に安値をつけた後は反発し堅調な値動きでした。本日日経平均は反発しましたが米中貿易摩擦や人民元安に対する懸念は根強く、昨日の米国市場でダウ平均が一時600ドル近く下落するなど世界的なリスク警戒感は高いことから底打ちとなったかはまだ不透明と言えそうです。本日引け後には国際石油開発帝石(1605)や富士フイルムホールディングス(4901)、バンダイナムコホールディングス(7832)などが決算を発表しており、明日の市場の反応が注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部)