激しい値動きの日経平均、多くの窓発生と同時に埋まった窓も

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今週も窓についての解説の続きになります。新たな窓が多く発生すると同時に埋まった窓もあるなど激しい値動きとなったことから、今後の動向が注目されるところです。

では早速チャートで確認したいと思いますが、先ずは先週のコラムで指摘したことをおさらいしたいと思います。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤丸=まだ埋まっていない窓、青丸=今回埋まった窓

前回は、7月29日と30日のあいだに発生した窓を仮に埋めた場合について、「窓の下に位置している移動平均線を割り込むかどうかがトレンド発生のポイントになりそうです。仮に終値で各移動平均線を一気に下回ってしまうようですと、まだ埋まっていない6月7日と10日のあいだにあけた窓を埋めに行くかもしれません」としましたが、結果は…。

ランナウエイギャップではなくコモンギャップと見る理由

チャートを見ると分かるように、7月29日と30日の窓があいたまま翌31日にも窓をあけて下落する展開となりました。

また8月1日は、終値で辛うじて75日と200日移動平均線上を維持して終えました。しかし、その日の夜にトランプ大統領が対中関税第4弾の発動を表明したことから、翌2日は窓をあけて一気にすべての移動平均線を下回って下落が加速し、8月6日までに5月31日から6月10日にかけて発生した3つの窓を一気に埋める結果となりました。

ただ一方で、これまで下げ止まりの目途としていた水準が今回も取引時間中のサポートになったことも覚えておかなければなりません。なぜなら、窓の種類を考える上で重要なポイントになるからです。

ちなみに今回発生した新たな窓について、私は過去の値幅の範囲内であることや、下げ止まりの目途がサポートになって下げ止まると同時に下ヒゲ陽線を形成していることから、強力なトレンドの中に現れるランナウエイギャップではなくコモンギャップではないかと考えています。

このようにランナウエイギャップではなくコモンギャップとみることで、反発したときには直ぐに窓を埋めることが考えられ、その後の値動きの判断材料にすることができます。

ではこうした窓の種類や下げ止まっている点などを踏まえ、今後についてはどのように考える必要があるのでしょうか。

下降トレンド継続か反発に向かうか、窓との関係を注視

ここでのポイントは、本当に下げ止まっているのかどうか、また下げ止まっていない場合、トレンドが続くかどうかにあると思われます。

そうしたなか、仮に下向きに変化した5日移動平均線を上回ることができないようですと、下げ止まりの目途を割り込んで、今年1月4日と7日のあいだにあけた窓を埋めることも視野に入ると考えられるため、押し目買いは控える必要があります。

仮に、5日移動平均線辺りまで戻しても、押し返されて8月6日の安値や下げ止まりの目途を終値で割り込んだ場合は、1月の窓を埋める可能性が高まりますので買いポジションを持っている投資家は要注意です。

一方で、8月6日の安値や下げ止まりの目途を終値で割り込まずに、5日移動平均線上を回復したり5日移動平均線が上向きに変化したりするようですと、今回7月30日から8月6日までに発生した窓を埋めることが視野に入るのではないかと思われます。

いずれにしても、下降トレンドが継続するのか、あるいは反発に向かうのか、窓との関係を考えながら引き続きチェックするようにしてください。