日経平均にトレンドが発生しない状況であいた窓

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今週も窓についての解説です。

ここまで窓をテーマにコラムが続いている理由は、もうみなさんお分かりだと思いますが、毎週のように窓が発生したり、埋まったりしているからです。実は今回も小さな窓が発生しています。みなさんお分かりですか?それではその窓の確認から始めたいと思います。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い点線の丸=埋まっていない窓

今回あけた窓はとても価格差が小さいため見逃してしまうかもしれませんが、7月29日と30日のあいだに発生したものになります。

日経平均株価は21,800円が上値の抵抗となっており、トレンドがなかなか発生しない状況ですが、そうしたなかでも窓が発生しており、価格が飛んで取引されているのが分かります。

狭いレンジ内で発生した窓はすぐに埋まると予想される

特に先週7月24日からのローソク足を見ますと、値幅が狭く上下のどちらかにヒゲがある小さなローソク足が連なっています。こうした形状をしたローソク足が狭いレンジのなかで連なっているケースは、値動きが乏しいことに加え、方向がはっきりしないことを表しています。

このような相場では、少しでも買いか売りかのどちらかが優勢になって取引が始まると、すぐに窓が発生することになってしまうのです。

では、今回発生した窓はどの窓になるのでしょうか。答えはもうお分かりですね。そうです。コモンギャップ(=普通の窓)と考えられます。理由は、直近の狭いレンジ内での値動きのなかで発生していることや、小さな価格差からもすぐに埋まることが予想されるからです。

上向きの5日移動平均線上を維持すれば21,800円台越えも視野に

では、このコモンギャップを埋めた場合、そのあとはどちらの方向に株価は動き出すのでしょうか。仮に窓を埋めた場合ですが、窓の下に位置している移動平均線を割り込むかどうかがトレンド発生のポイントになりそうです。

仮に終値で各移動平均線を一気に下回ってしまうようですと、まだ埋まっていない6月7日と10日のあいだにあけた窓を埋めに行くかもしれません。

一方で、このまま上向きの5日移動平均線上を維持するようですと、これまで壁となっている21,800円台を一気に上まわることも視野に入るのではないかと思われます。

そうしたなか、上下どちらかに動きを発生させたり、加速させたりすると考えられるのが米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果とパウエルFRB議長の会見です。

さて今週はコモンギャップを埋めるのかに加え、再び新たな窓が発生すると同時にトレンドも発生することになるのか、要注目の週になりそうです。