【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26485.01 ▼98.41 (8/2)
NASDAQ: 8004.07 ▼107.05 (8/2)
1.概況
先週末の米国市場はトランプ米大統領が前日に対中制裁関税の第4弾の発動を表明したのに対し中国政府も対抗措置をとることを示唆したことから米中貿易摩擦の激化が前日に続いて警戒され続落となりました。ダウ平均は54ドル安でスタートし昼前に334ドル安まで売られたあと徐々に下げ幅を縮める展開となりましたが結局98ドル安の26,485ドルで取引を終え4日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も107ポイント安の8,004ポイントと5日続落となっています。
2.経済指標等
7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比16万4000人増となり市場予想と一致しました。失業率も前月と変わらずの3.7%で市場予想と一致しています。平均時給は前年同月比3.2%増となり市場予想を上回りました。一方で7月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は速報値から変わらずの98.4となり市場予想を下回りました。6月の米製造業受注も前月比0.6%増に止まり市場予想を下回っています。6月の米貿易収支の赤字額は前月比0.3%減の551億5400万ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、情報技術とエネルギー、素材が1%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスも1%近く下げています。一方で不動産と生活必需品、公益事業の3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではシスコシステムズ(CSCO)が4%近く下げ下落率トップとなったほか、ダウ(DOW)やナイキ(NKE)、アップル(AAPL)、インテル(INTC)も2%以上下げました。一方でボーイング(BA)とマクドナルド(MCD)が1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決済サービス大手のスクエア(SQ)が決算で示した第3四半期の利益見通しが市場予想を下回ったことで急落し14%余り下げています。また、ソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)は決算が赤字に転落したことで6%近く下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.05%低い1.84%となりました。ドル円はさらに円高が進み106円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の21,000円を割り込みそうで、ドル円の動向に神経質な展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)