【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27198.02 ▼23.33 (7/30)
NASDAQ: 8273.61 ▼19.72 (7/30)
1.概況
米国市場は上海で閣僚級の米中貿易協議が再開されるなか中国をけん制するトランプ米大統領によるツイートが相次いだことで米中貿易協議の先行き不透明感が強まり下落しました。75ドル安でスタートしたダウ平均は取引開始直後に151ドル安まで売られた後持ち直すと午後には3ドル高と小幅にプラスとなる場面もありましたが、上値は重く直ぐに下落に転じると結局23ドル安の27,198ドルで取引を終え3日ぶりの反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も19ポイント安の8,273ポイントと続落となりました。
2.経済指標等
5月のS&Pコアロジック・ケース・シラー米住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比2.4%上昇し市場予想と一致しました。米個人所得も前月比0.4%増となり市場予想と一致しています。6月の個人消費支出(PCE)も前月比0.3%増となり市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比1.6%上昇に止まり市場予想を下回りました。
一方で7月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は135.7と前月から上昇し市場予想も上回りました。6月の米中古住宅販売仮契約指数は前月比2.8%上昇し108.3 となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や情報技術、一般消費財・サービスなどの6業種が下げました。一方でエネルギーや不動産、素材などの5業種が上げ、エネルギーは1%余り上昇しています。
4.個別銘柄動向
プロクター・アンド・ギャンブル(PG)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで4%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり上場来高値を付けました。また、米連邦航空局が米議員に送った書簡を受けて運航停止中の737MAXの運航再開への期待が高まりボーイング(BA)が2%以上上げ、ダウ平均構成銘柄でプロクター・アンド・ギャンブルに次ぐ上昇率となりました。プロクター・アンド・ギャンブルとボーイングの2銘柄でダウ平均を80ドル近く押し上げています。また、決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったメルク(MRK)も1%近く上げています。
一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けてファイザー(PFE)が6%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。さらに取引終了後に決算を発表した半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は7-9月期と2019年12月期の売上高見通しが市場予想に届かなかったことから時間外で大きく下げています。同じく取引終了後に決算を発表したアップル(AAPL)は3四半期ぶりの増収となり市場予想も上回ったことなどから時間外で大きく上げています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.06%となりました。ドル円は108円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え様子見となりやすいなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)