7月1日にあけた窓、その後
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今週も窓についての解説です。
前回のコラムでは、「7月16日までの結果を見ますと、残念ながら下向きに変化した5日移動平均線と下向きを続ける200日移動平均線を下回って終えているのが分かります。こうなりますと、横ばいで推移する75日移動平均線に接近したり、割り込んだりすることが考えられるため、7月1日にあけた窓を埋める可能性が高まっていると考える必要があります」としました。果たして結果は…。
チャートを見ると分かるように、先週は3連休明けの7月16日に、25日と75日移動平均線を割り込んでしまう場面があるなかで持ち直しました。しかし、結局翌営業日にはこれら2本の移動平均線を割り込み、7月1日にあけた窓を埋める結果となってしまいました。
窓が発生した当初、200日移動平均線を上回ったり、それまで押し返されていた21,500円という株価水準を上回ったりしたことから、ブレイクアウェイギャップの可能性が高いと考えました。しかし、実際には下向きの200日移動平均線に沿って徐々に株価水準が切り下がると、売り物に押され7月1日にあけた窓を埋める結果となってしまいました。
そのため、7月1日に発生した窓は、結局コモンギャップということになってしまうのではないかと思われます。
1日1回はチャートを見て考えの修正が必要か確認を
ただここで注目しておきたいのは、発生した段階でブレイクアウェイギャップだと考えても、その後一気に上抜けできないときは押し返される可能性を意識して、それまでの考えを修正する必要があるということです。
ちょっと大袈裟ですが、普段の生活で考えてみた場合、最初の考えを改めるのは非常に難しいことですし、また根拠もなく考えを改めてしまうと、その後の判断ができなくなってしまうことが多々あるのではないかと思われます。
テクニカル分析の場合、示された株価や移動平均線の動きの変化を読み取ることによって修正していくことが重要になるのです。
そのため私は、取引終了後で構わないので1日1回は必ずチャート確認し、変化の兆しが現れていないかどうか、これまでの考えを修正しなくてよいか、確認する必要があると考えています。
そうすれば、今回のようにブレイクアウェイギャップが発生したと判断して株価が上昇すると思いこんだり、過度のポジションを持ってしまって損失が拡大したりといったことを減らすことができますし、逆にポジションを減らして損失を回避することもできたのではないでしょうか。
これはスイングトレードを行っている投資家にとってはとても重要なことですので、ぜひ注意して欲しいところです。
もち合いを放れるきっかけになる窓が発生する可能性
ところで、7月1日の窓を埋めるあいだの7月16日から7月18日の3日間で2つも窓をあけています。しかしこれも直ぐに埋めており、この3日間に発生した窓はコモンギャップだったということが分かります。
そうしたなか、7月23日の終値では200日移動平均線も上回って終えているのが分かりますね。こうした状況から7月に入って発生した窓はすべて埋められたことになります。しかし、移動平均線の向きからしますと、25日、75日、200日と3本の移動平均線が集まる格好になっています。
この状況から発生する窓は、もち合いを放れるきっかけになる窓となるかもしれませんので、引き続き窓についての解説を続けたいと思います。