日経平均は膠着状態、方向感の無い値動きが続く

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今週も窓についての解説になりますが、日経平均は7月1日に窓をあけてスタートしたあと、高値を更新することができずに膠着状態が続いています。

では早速チャートで確認したいと思います。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤丸=まだ埋まっていない窓

前回のコラムは、「上値の抵抗になっていた21,500円や75日移動平均線を割り込むまではブレイクアウェイギャップが継続していると考えられますので、1日にあけた窓を埋めることなく200日や下向きに変化した5日移動平均線上を回復するようであれば、時間はかかるものの5月7日と8日のあいだにあけた窓を埋めることが期待されます。一方で繰り返しになりますが、下向きに変化した5日移動平均線が上値の抵抗になって株価を押し下げ、21,500円や75日移動平均線を終値で割り込むようですと7月1日にあけた窓を埋めることが視野に入るのではないかと思われます。」としました。

7月16日までの結果を見ますと、残念ながら下向きに変化した5日移動平均線と下向きを続ける200日移動平均線を下回って終えているのが分かります。こうなりますと、横ばいで推移する75日移動平均線に接近したり、割り込んだりすることが考えられるため、7月1日にあけた窓を埋める可能性が高まっていると考える必要があります。

一方で、75日移動平均線を割り込んでも終値で維持するようですと反発の可能性が残ることになり、方向感の無い値動きがもう少し続くことも考えられそうです。

「もち合い」が上下どちらに放たれるかが重要なカギ

このような状況になっている理由と考えられるのが、前回指摘した移動平均線の向きです。ここにきて5日、200日、75日に加え、表示本数の関係でチャート上には書かれていませんが、上向きの25日移動平均線が株価に集まってきており、いわゆる「もち合い」の発生を示唆しているのです。

またもち合いが発生して上下どちらかに放たれると、過去の経験則から放たれた方向にトレンドが発生しやすいとされるため、今回のもち合いのあと上下どちらに放たれるかが重要なカギを握ることになります。

ただ、もち合いが上下どちらかに放たれるきっかけが何になるかは今のところわかりません。テクニカル的に言えることは、7月2日の高値を終値で更新すれば上方向に放たれる可能性が高くなると考えられる反面、75日や25日移動平均線を終値で下回った場合は下方向に放たれる可能性が高くなるということになります。

損失の発生や拡大に備え、できるだけポジションを小さく

いずれにしても、動いた方向と逆のポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に備える必要があるため、ポジションを大きくしないことに加え、できるだけポジションを小さくする必要がありますので注意したいところです。

次回も窓についての解説が続きます。