【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26806.14  ▼115.98 (7/8)
NASDAQ: 8098.38  ▼63.41 (7/8)

1.概況

米国市場は利下げ期待の後退が引き続き相場の重石となり続落となりました。86ドル安でスタートしたダウ平均は177ドル安まで売られたあと一旦下げ幅を100ドル近く縮める場面もありましたが、再び下げ幅を広げるとその後は安値圏での推移となりました。ダウ平均は引けにかけてやや持ち直したものの結局115ドル安の26,806ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も63ポイント安の8,098ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の米消費者信用残高は170.86億ドル増となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材やコミュニケーション・サービス、ヘルスケアなどの6業種が下げ、素材は1%余り下落しました。一方で不動産や一般消費財・サービスなどの5業種が上げています。

4.個別銘柄動向

アップル(AAPL)が投資判断の引き下げを受けて2%余り下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、同じく投資判断の引き下げを受けて通信機器のジュニパー・ネットワークス(JNPR)も3%以上下げています。さらに2度の墜落事故を起こした737MAXを最大50機購入する契約をサウジアラビアの格安航空会社が取り消したと伝わったことでボーイング(BA)が1%を超える下落となりました。

一方でナイキ(NKE)がジャージーを供給する米国代表がサッカー女子ワールドカップで優勝したことで2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。セキュリティーソフト大手のシマンテック(SYMC)も半導体大手のブロードコム(AVGO)がシマンテックの買収に必要な資金を確保したと伝わったことで2%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い2.04%となりました。ドル円はさらに円安となり108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場は続落となったものの、ドル円が円安となっていることや日経平均が200円以上下げた後ということもあって本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が200日移動平均線(昨日時点で21,605円)を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)