【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26966.00  △179.32 (7/3)
NASDAQ: 8170.23  △61.14 (7/3)

1.概況

米国市場は独立記念日の前日で短縮取引となるなかADP全米雇用リポートが市場予想を下回ったことで利下げ観測が高まり続伸となり主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。ダウ平均は45ドル高でスタートすると一日を通して上げ幅を広げる展開となり179ドル高の26,966ドルで取引を終え4日続伸となりました。高値引けとなり昨年の10月3日に付けた史上最高値(26,828ドル)を9カ月ぶりに更新して取引を終えています。

また、S&P500株価指数も22ポイント高の2,995ポイントと5日続伸となり3日連続で史上最高値を付けています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も61ポイント高の8,170ポイントと6日続伸となり、5月3日に付けた史上最高値(8,163ポイント)を2カ月ぶりに更新しています。

2.経済指標等

6月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は10万2000人増に止まり市場予想を下回りました。6月の米ISM非製造業景況感指数も55.1と前月から低下し市場予想を下回りました。5月の米製造業受注も前月比0.7%減となり市場予想を下回っています。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件減の22万1000件となり市場予想を上回る改善となりました。5月の米貿易収支の赤字額は前月比8.4%増の555億2000万ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも不動産と生活必需品が1%を超える上昇となったほか、ヘルスケアも1%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が2%以上上げたほか、シスコシステムズ(CSCO)も2%近く上昇しています。一方でキャタピラー(CAT)とJPモルガン・チェース(JPM)、ダウ(DOW)が小幅に下げ、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は変わらずでした。

ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が4-6月期の世界の販売台数が9万5200台と過去最高となり市場予想を上回ったことで4%を超える上昇となりました。セキュリティーソフト大手のシマンテック(SYMC)も半導体大手のブロードコム(AVGO)が買収の交渉を進めていると伝わったことで急伸し13%以上上げています。金融サービスのジェフリーズ・ファイナンシャル・グループ(JEF)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで6%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

独立記念日の前日で短縮取引となるなか長期金利は0.02%低い1.95%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)